暮らす
LIFE

アメリカ50州基礎知識

アメリカ50州、各州の基本情報のご案内。アメリカ全土の地図も。

ライトハウス編集部
ライトハウス編集部

ウエストバージニア(25)

南部


財政難からの脱出が課題
心の故郷『カントリー・ロード』

故ジョン・デンバーの名曲『カントリー・ロード』で知られるウエストバージニア州。歌の中でも山岳地帯を連想させる歌詞があるが、同州のニックネームもずばり「Mountain State」だ。


州競売のでたらめ話がまかり通る
深刻な財政難

 昨年1月、ネットオークションサイト「eBay」にこんな出品があった。「私はウエストバージニア州の皇帝で、この商品の世話人に任命されました。州を競り落としませんか。行政権、住民と住民の所有物は含まれませんが、皇帝の座はお譲りします」。サイト管理者は悪質なジョークとしてすぐに削除したが、わずかの間に入札が殺到した。

 このようなでたらめ話を多くの人が信じたところに、ウエストバージニア州の悲哀がある。同州の2005年度の財政赤字は1億2000万ドルに達している。また、1983年から失業率が8.6%から18%に跳ね上がり、全米一になった。

 それでも近年は、温暖な気候と風光明媚な山岳地帯、南北戦争史跡などをセールスポイントに観光に力を入れていることもあり、93年に11.1%だった失業率が2000年12月には5.6%まで好転。社会福祉の恩恵を受けている人の数は、実に74%も減少している。


保守的な土壌が垣間見える
映画『オクトーバースカイ』

 1861年、同州はバージニア州から分離し独立州となったが、分離の背景には人種構成が影を落としている。東部はイングランド系、西部はアイルランド系が多数を占めるが、州議会は東部中心に進められ、交通網や学校の整備などで西部は冷遇されていた。18世紀半ばから19世紀にかけて、石炭や天然ガス、石油が相次いで発見され、自立の見通しがついたところで南北戦争が勃発。東部が北部連邦から脱退すると、西部は残留を決め、分離が確定的になった。

 1930年代、世界恐慌の影響をまともに受けた同州では、F・ルーズベルト大統領のニューディール政策が浸透し、保守的な土壌を育んだ。石炭産業の暗転と保守的な土地柄を如実に描いた映画に、『オクトーバースカイ』がある。これは炭鉱の町、コールウッドに生まれたホーマー・ヒックマンのベストセラー自伝『ロケットボーイズ』を映画化したものだ。