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アメリカ50州基礎知識

サウスカロライナ(29)

南部文化が花開いた南北戦争勃発の地

サウスカロライナは合衆国から脱退した最初の州で、南北戦争の幕開けの舞台となったが、その戦争は皮肉にも、北軍のシャーマン将軍が同州を焼き討ちしたことで終結に至った。

独立戦争当時から経済・文化の拠点

 1670年チャールストン港の近くにイギリス人が定住。チャールズ1世の名前をラテン読みし、「カロライナ」と名付けられた。1710年にノースカロライナとサウスカロライナに分裂。その後、他のヨーロッパ人も押し寄せ、奴隷貿易の始まりとともに大農園が出現し、チャールストン港は貿易や文化の拠点となった。

 独立戦争の頃には植民地の中でも豊かな街に発展しており、全米でゴルフが初めてプレーされたのも、初のオペラ公演が行われたのもチャールストンだ。

 独立後、綿織機の発明で綿花の栽培が盛んになり、州の経済は繁栄。だが、この頃から奴隷法などを巡り、連邦政府との溝が深まる。同州出身のジョン・カルホーンが連邦法実施拒否を唱えたのを契機に、一気に連邦政府との緊張が高まり、1860年12月20日、連邦政府からの離脱を宣言。多くの南部州が追随し翌年4月、南軍が連邦軍の駐屯するチャールストン港サムター要塞を攻撃し、南北戦争の幕が切って落とされた。

3人のジャクソンを輩出
裸足のジョーも同州出身

 南北戦争で大きな打撃を受けた経済も、20世紀に入ると繊維業の発達とともに復興。近年は豊かな歴史と温暖な気候で、観光業が大きな収入源となっている。チャールストンは、ニューオーリンズとともに南部文化が花開いた土地でもある。「狂乱の20年代」に大流行したダンスの名前もチャールストンだ。

 サウスカロライナを代表する人物に、3人のジャクソンがいる。第7代大統領のアンドリュー・ジャクソンは、丸太小屋で生まれた初めての大統領。2人目は公民権リーダーのジェシー・ジャクソン師、3人目は映画『フィールド・オブ・ドリームス』でおなじみ、・シューレス・・ジョー・ジャクソン(裸足のジョー)だ。裸足のジョーは生涯打率.356を誇るホワイトソックスの名打者だったが、1919年のワールドシリーズで八百長事件が発覚、裁判で無罪となったものの永久追放処分になった悲運のヒーローだ。