暮らす
LIFE

アメリカ50州基礎知識

アメリカ50州、各州の基本情報のご案内。アメリカ全土の地図も。

ライトハウス編集部
ライトハウス編集部

カンザス(21)

中西部


人より牛が多いと揶揄された
「禁酒日」を設ける保守的な土地柄

夏と冬の寒暖差が大きいカンザス州。『オズの魔法使い』で“平らで灰色の土地”と表現されたように、痩せた土壌のグレートプレーン(大平原)がどこまでも広がっている。


バッファロー狩りの最盛期
ワイアット・アープの舞台

 16世紀初めにスペイン人が入植したが、支配権は後に移民したフランス人に移っていく。1803年のルイジアナ購入により合衆国の一部に。しかし、1854年から1856年にかけて州境が定まるにつれ、奴隷州になるか自由州になるかを巡って争いが頻発し、南北戦争のきっかけとなった「流血のカンザス」という事件に発展した。そして1861年、正式に自由州として合衆国に加盟した。

 乾燥した草地では放牧が盛んだ。シカゴと西部を結ぶカンザスパシフィック鉄道(現ユニオンパシフィック鉄道)とサンタフェ鉄道が州内を通過することから、牛輸送の拠点となる。

 同州は西部劇の舞台としてもよく登場する。映画『ワイアット・アープ』で登場するダッジシティーは、1870年代半ばには西部の無法者の中心地となった。バッファロー狩りの最盛期だった時代、毛皮を持ち込むハンター、賭博や娼婦などの無法地帯となり、ワイアット・アープ、パット・マスターソンらの優秀な保安官が活躍した。


小麦・航空機の生産で世界をリード

 産業面では、畜産だけでなく、小麦を始めとする穀物の生産地として世界的に有名だ。開拓当時は"A Hard Land in the Heartland"と呼ばれるほどの厳しい気候と土壌だったが、現在の小麦生産は全米で1、2位を誇る生産規模。食品加工や製パン、製粉の最新技術でも知られる。また、同州最大の都市ウィチタは、現在、ボーイング社、セスナ社、レイセオン社などが拠点を置き、航空機の製造で世界をリードしている。

 州民のほとんどは19世紀に入ってきた北欧、ドイツ、ロシアからの移民の子孫。保守的な同州では日曜日が「禁酒日」となっており、日曜日は酒店は閉まり、スーパーなどでもアルコール類を販売しない。しかし、酒類の購入が許可される年齢はほとんどの州が21歳以上なのに対し、同州は18歳以上という矛盾した部分もある。