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ミスター世界の食文化紀行

"ミスター世界"こと、関根正和さんによる「食」に関するライトハウスの人気コラム。食体験にまつわる楽しい話題や、移民の国アメリカならではの当地のレストラン情報をご紹介します。世界各国の珍しい食材や独特な調理方法、料理の特徴など、読めば新たな発見があるはず!

ミスター世界…世界230以上の国・地域を旅し、本場の食体験と、LA界隈の4000軒以上のレストラン食べ歩きの経験をもとに、食文化評論家として活躍。

ミスター世界
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吐司を食べたい!

ミスター世界(関根 正和)

法国吐司。

さて、どんな食べものでしょう?

法国というのは、中国語でフランスのことだ。フランス人が特別に法律を守るというわけではなく、日本語でほとけ(仏)の国というがごとく、あて字である(法はファーと読む)。

吐司は台湾で使われるあて字で、トーストのこと。

両方合わせてフレンチ・トースト。

なにも食べものに「吐く」という字を使わなくてもよさそうなものだと思うけど、かれらは気にしないらしい。

フレンチ・トーストって、朝食にいいですね。これを食べよう!と思うだけでワクワクする。

ホットケーキ、ワッフル、フレンチ・トースト、僕にいわせればこの三つは朝食のゴールデン・トリオだ(色がゴールドっぽいでしょ)。それぞれ、似ているけど、独特の楽しみがある。

フレンチ・トーストといっても、フランスではそうは呼ばれない。pain perdu、つまり「失われたパン」というのがその名である。

古くなって少し固くなったパンの利用法として、卵やミルクをつけてフライパンで焼くとうまくなる、というところからその名がある。むしろ新しいパンより古いパンのほうが、表面がパリっとなって、よりおいしいのだ。

フランスでは朝食ではお目にかかることがなく、ランチとして、あるいはデザートとして食べられる。

フランスに限らず、僕は旅行中、午前中ゆっくりできるようなとき、よくパンケーキとかフレンチ・トーストを注文する。だいたいホテルの朝食はどこに行ってもバフェになっていて、いろいろな種類の料理が食べられるのはいいのだが、ちょっと落着かないきらいがある。

あえてそれに逆らって、メニューから単品でサーバーに注文し、ゆったりと出来たてのフレンチ・トーストが出てくるのを待つのもいいものだ。

ホテルによっては、イチゴやバナナ、ブルーベリーなどが載ってきたり、オレンジ、あるいはシナモンやバニラの香りのいいフレンチ・トーストを持ってきてくれる。これもうれしい。

上にバターを少し載せ、それにメープルシロップ。

この料理にはやはりメープルシロップがポイントだ。ただの砂糖シロップを出すところもあるが、カエデから作ったシロップは香りが全然ちがうし、味がひきたつ。蜂蜜もいいですね。

表面がサクッとして、中はフワッとしているのがいい。

香港では、フライパンで焼くというより、油に浸して揚げパンのようにして食べるのが一般的で、これはまたこれでいい。

僕は子供のころから、母親が忙しいときにおなかがすくと、よく自分でフレンチ・トーストを作って食べていた。ただし、日本風だ。

冷蔵庫から食パンと卵を取り出し、卵をしょうゆで溶く。白いご飯にかけて食べるような溶き卵にして、それに食パンを浸し、パルメザンチーズをまぶし、フライパンで焼く。卵が固まらないうちに、半熟状態で火からおろすことがコツだ。

しょうゆの焼けた香りとチーズがうまくマッチし、半熟卵の舌触りとパンのフワフワ感がよくて、作ってるあいだからワクワクする。

とてもうまいですよ。

LA&OCではココ!「予算」は2人分です
Side Street Café
広いニューポート・ブルバードに面した、小さな目立たないコージーな店で、フレンチ・トーストやバナナ・パンケーキをはじめ、オムレツなどで有名。昼間はいつも混んでいる。コーヒーもおいしいのがうれしい。
予算:$20
1799 Newport Blvd. Suite A105, Costa Mesa
949-650-1986 
Daily 7:30am-3:00pm
Open 7 Days

Square One Dining
ハリウッドで朝食で有名な店で、フレンチ・トーストやエッグス・ベネディクトなどがおいしい。広いパティオが気持ちいい。週末のブランチは相当待たされる覚悟が必要。
予算:$30
4854 Fountain Ave., Hollywood
213-365-8773 www.squareonedining.com
Daily 8:00am-3:00pm
Open 7 Days

(2012年7月1日掲載)