好きなお酒はなんですか？と聞かれれば、僕のばあい、食事といっしょならワイン、食前食後ならジントニックだ。

ほかにもいろいろ試してみたのだが、そういう結論に達した。

ジントニックは、食前酒としても、食後酒としても、どちらでもいい。

日本人の男性には、食後に飲む酒はウィスキーが好きなひと、あるいはそれしか飲んだことがないというひとが多いようで、日本で銀座のバーなどに行くと（滅多に行きませんが）、何も聞かずにウィスキーの水割りを出されたりして、困惑することがある。

そういうところは、ジントニックを頼みたくても置いていないか、置いていたとしてもヘンなジントニックが出てきたりする。

トニックウォーターがなくて、ウィスキーのソーダ割りに使うクラブソーダを入れてくるのだ。これはまずいです。

ジンとトニックの相性というのはすばらしいと思う。

なぜなら、ジンは大麦、ライ麦などを原料としているけれども、ジュニパーベリーによって香りづけされていて、トニックもいろいろな香草で香りづけされているために、よくブレンドするのだろうと思う。

そしてライムを絞って入れるのがポイントだ。僕はレモンやオレンジなどいろいろ試してみたが、断然ライムがおいしいと思う。

ライムがなければジントニックを飲みません。

ジントニックはとてもさわやかなカクテルだ。　

同じジンベースでも、マティーニなんかよりはアルコール度がずっと軽いから飲みやすい。

たとえば、暖かいところを旅行中、プールサイドのバーで夜風に吹かれながら飲むジントニックは最高だ。

ピーナツなどをつまみながら飲むとさらにうまくなる。

非常にポピュラーなカクテルだから世界中どこでも気軽に飲めるし、どこの国でもGin & Tonic で通じる。たとえばスペイン語ではジンはginebra、だからといってヒネブラ・イ・トニックなどという必要はない（実際試したらかえって通じませんでした）。

いままで飲んだ最高のジントニックはアフリカのジャングルだった。

南アフリカ共和国にはプライベートゲームリザーブというものがある。ケニアなどの国立公園とはちがって、個人が所有する土地だから、自由な時間にサファリをすることができる。決まったルートだけではなく、灌木をなぎ倒しながら車を走らせて動物を探したりすることもできる。

ある日、夕方からずっとサファリをしていて、あたりがとっぷりと暗くなったあと、僕たちの乗るランドローバーのドライバーは、灌木生い茂るジャングルの中にどんどん分け入っていった。いったいどこに行くんだろうと思っていたら、木の陰からいくつものタイマツの火が見える。

そこに到着すると、ちょっと広いスペースにフルバーがしつらえてあって、あらゆるお酒と、生のカキが氷に載ってたくさん冷やしてある。

ここでサプライズの食前カクテルパーティーというわけだ。

僕はジントニックを飲み、カキをほおばり、密林の中でサルの鳴き声やなにやら猛獣の声も聞こえる中で、これぞ究極のジントニック、と感激したのであった。

LAではココ！「予算」は2人分です
The Cliff
景色のいいレストランの多いラグナビーチのなかでも、とくに立地条件がすばらしい店です。ビーチを見下ろす絶景のパティオバーとレストランがあり、夕日を眺めながらジントニックを飲むのにはとても気分がいい場所です。
予算：$50
577 S. Coast Hwy., Laguna Beach
☎949-494-1956　
thecliffrestaurant.com
日〜木12:00pm-10:00pm、金土12:00pm-11:00am

Terranea Resort
パロスバーデス半島の先端にある高級ホテルです。高台にあって遠くまで眺めのきくパティオのバーはすばらしく気持ちがよく、レストランはかなりのハイレベルの味です。
予算：$50
100 Terranea Way, Rancho Palos Verdes
☎310-265-2800　
terranea.com
Lobby Bar & Lounge金〜日12:00pm-1:30am、月〜木3:00pm-1:30am

（2014年9月16日掲載）