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アメリカでのビジネス・仕事

現地情報誌「ライトハウス」が人気コラム「アメリカ人と共に働く技術」をはじめ、起業・独立、マーケティングに関する情報など、アメリカでのビジネスに役立つ情報をご紹介。

ライトハウス編集部
ライトハウス編集部

135)気づく力の鍛え方

マーケティング講座

こんにちは! 阪本啓一です。
気づく力で繁盛しましょう!


気づく力=本質を見抜く力

私たちを取り巻くビジネス環境は、まるでサーフィンしているようにいつも変化しています。まさに「変化が常態」。そんな環境の中、繁盛するために最も必要なスキルは何ですか、と問われるなら、私は迷わず「気づく力」と答えます。ビジネスチャンスを発見するために必要ですし、日頃の問題解決にも必須の能力です。日々のコンサルティングの現場で、私が問題解決に使っているのが、この気づく力です。実は「気づく力=本質を見抜く力」なのです。

事例で話しましょう。私は長く携帯電話はドコモを利用しているのですが、このたびiPhoneを購入しました。携帯電話はそのままドコモを利用しながら、出先でPCメールをチェックしたり返信したり、ネット検索したり、あるいはツイッターしたりするためです。

日本のiPhoneはソフトバンクが扱っています。ショップで契約手続きしながら、私は「これでソフトバンクに口座開設のパーミションを与えたことになるなあ」と考えていました。つまり、今日からソフトバンクは、月々私へ請求書を送ることができるわけです(これまではできなかった!)。

また、アップルにとっても、iPhone内にあるアップルストアやiTunesを通して私とパイプができたことになります。アプリケーションソフトの中には有料・無料両方ありますが、たとえ無料ソフトでも、「私の趣味趣向データ」は入手できるわけで、アップルとしては私に関するマーケティングデータを無料で入手し続けることができるわけです。

つまり、私が「iPhoneを購入する」という購買行動は、ソフトバンクとアップル両社にとって、「阪本の口座を入手した」という意味になるのです。

現象面では「新しくスマートフォンを買った」という事象なのですが、その本質をつかんでみると、そこにソフトバンクとアップルの秀逸な戦略が見えてくるわけです。さらに深く見てみると、ソフトバンクは自社でスマートフォンを開発・製造することなく、アップルは自社で日本の携帯市場を開拓することなく、「互いの強みを活かしてコラボレーションする」ことで成功をおさめていることがわかります。これが本質を見抜く力なのです。


磨き方

この気づく力を、どうやれば磨くことができるでしょう。

まず、何と言っても日々「ネタ目」で世の中を観察するクセをつけることです。これが原則。

a.「似ている」を探す

ネタ目で見る際、ある何かと何かが「似ている」「共通している」点を考える。人の顔でも良いですよ。私は子供の頃から、「オカダ君はカメに似ている」「ナカザワさんの顔は、ホームベースみたい」「ハシモト君は煙突」と、「意外な何かに似ている遊び」をやって喜んでいました。「似ているものを探す」ということは「本質をつかみとる」ことにつながります。

たとえば、楽天のビジネスモデルは、アパート経営と同じです。出店社(店子)は店賃を支払い、売上からマージンを「大家(楽天)」に支払う。また、テレビやラジオのビジネスモデルは不動産営業と同じです。スポンサーに対して、「この広告枠が空いているので、いかがでしょう。本来ならこれこれの金額ですが、今なら特別にお安くして…」という営業トークの流れはまさに不動産営業ですね。

b.修飾を外す
 
先進国における製造業が製造コストの競争をやっていては、不毛な泥試合にならざるを得ません。換言するなら、そのようなメーカーを相手にしているB2B企業は、「縮む一方の製造コスト」からのおこぼれを、競合他社と分捕り合戦しているわけです。これでは将来の展望が見えないですね。

ではどうするか。「製造コスト」という修飾を外し、本質に斬り込むのです。すると、これからのメーカーは製造コストの競争から、開発コストの競争へと軸足を移さないと未来がないことがわかります。当然、営業マンに求められる資質も変わってきます。これまでの価格交渉力から、提案力、技術力、そしてヒアリング力などが必須になるでしょう。
 
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日々、気づく力を鍛え、自分のビジネスを再編集してみるクセをつけましょう。それが、変化が常態の現代ビジネス環境で繁盛するマインドです。


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(2010年3月1日号掲載)