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アメリカでのビジネス・仕事

現地情報誌「ライトハウス」が人気コラム「アメリカ人と共に働く技術」をはじめ、起業・独立、マーケティングに関する情報など、アメリカでのビジネスに役立つ情報をご紹介。

ライトハウス編集部
ライトハウス編集部

190)チーフ感染しちゃうぞ!オフィサー

マーケティング講座

こんにちは!阪本啓一です。

宣伝方法を変えましょう


感染(うつ)すんです

インターネットが生活インフラになり、ソーシャルメディアで個人が組織の壁を超えて相互につながり、情報交換し合っている社会における広告宣伝の本質をひと言で言うと、「viral」、つまり、「ネット&クチコミによる伝染」です。そこで、今日ご提案したいのが、あなたの会社やお店で、「CVO(Chief Viral Officer)」という職責を設けてはいかがでしょう?日本語に直すと、「チーフ感染(うつ)しちゃうぞ!オフィサー」。JOYWOWでは、このCVOを着想した今朝、創業者兼会長の権限で、急遽私自身が就任しました(笑)。

さて、CVOの仕事を具体的に見ていきましょう。「いかにしてネットやリアルでクチコミされるようにするか」が目的です。


何をするか

マーケティングの鉄則は「見えないものは見えるものに、見えるものは見えないものに」。JOYWOWが販売しているのはコンサルティング、セミナーといった見えないものです。だからこそ、見えるものにはこだわり、JOYWOWブランドという目に見えない価値を顧客や見込み客の頭脳に「刷り込む」仕掛けを多数しています。本社オフィスのある横浜はみなとの見える丘公園前という絶好の環境に。室内には一枚板で仕立てた木のデスク。大阪オフィスは大阪市内都心ど真ん中に立つタワーマンションに構えましたが、限定された人(塾生、クライアント、担当編集者)にしか知らされません(ネットには住所を掲載しません)し、入れません(神秘的な存在はそれだけでクチコミされやすい)。イメージカラーをオレンジにし、名刺、手帳カバー色、ペンケース、オフィスに置くペン立て、お菓子を入れる皿、クリアファイル…、すべてオレンジで統一しています。

キャリーケースは真っ赤にし、アップルのロゴシールを貼り付け、会った人に強い印象が残るようにしています(特に外国の空港で待っている間、話のきっかけになります。「アップルがキャリーケースを発売したんですか?」)。

ただこういう仕掛けをすればいい、というものではなく、大切なことは、ブランドの提供価値と一致していることです。JOYWOWの提供価値は、「ビジネスをJOY+WOW+LOVE FUNなものにしちゃうよ!」ですから、しかめっ面でビジネスするのではなく、楽しく、喜びとLOVEに満ちたイメージを喚起する仕掛けがいります。だからオフィスにくまのぬいぐるみを置いたり、カネゴン人形がしゃべったりするようにしています。


いくつかのヒント

レストランなら、思わず写真に撮ってブログに載せたくなるような何か。それが料理でもいいし、お店の装飾でもいいです。LA・トーランスにあるさぬきの里さんは、お店へ入って真正面に、著名人(野球選手、芸能界、政治家、企業人など幅広く)が来店した時の記念写真がたくさん貼ってあります。大阪のFM 802には、来訪時のラフなスタイルで微笑む歌手たちのポラロイド写真が多数掲示されています。森高千里さんの壁の落書きも残っています。ビジュアルが一番伝わるので、店内の音楽や空気感も大切ですが、何か写真に撮りたくなる仕掛けを作りましょう。

見えないサービス(エステやスパなど)を売っているお店は、見えるもの。例えば、スパ利楽園(Relaken)さん(トーランス)では、オリジナルの専用タオルとバスローブがきれいに揃えて用意されていて、「よくある岩盤浴」とは一線を画した上質のくつろぎ時空間を提供してくださいます。もう一つのコツは、物語にすること。FM 802を案内してくれた人が写真を指しながら、「ラジオだと映りませんから、皆さん私服で来られるんですよ。たとえば○○さんの時は…」という物語を添えてくれました。「そうか、この人、こんな私服着てるんだ!」と興味津々です。

CVOは、チーフ・ストーリー・オフィサーでもあるのです。

阪本さんの新著書が発売中!
『ビジネスチャンスに気づく人の57の法則』(日経ビジネス人文庫)

(2012年6月16日号掲載)