働く
JOB

アメリカでのビジネス・仕事

現地情報誌「ライトハウス」が人気コラム「アメリカ人と共に働く技術」をはじめ、起業・独立、マーケティングに関する情報など、アメリカでのビジネスに役立つ情報をご紹介。

ライトハウス編集部
ライトハウス編集部

198)真の顧客志向とは

マーケティング講座

こんにちは!阪本啓一です。

本気でやれば、伝わります!


ちゃんとやるだけで

ちゃんとやるだけで売上は上がります。たとえば、商品知識をしっかり身に付ける。スニーカーの販売をしているのであれば、扱っているブランドの特長やどんな人に適した製品なのかなど。自分自身も普段からウォーキングやランニングしたりして、売っている製品のユーザーとしての知見を蓄積しておく。お客さんへの説得力が違います。

シャツなどを売るアパレルショップなら、お客さんの状況を把握し読み取る。事例でお話ししましょう。雨で新幹線が止まってしまい、急遽外泊するはめになりました。着替えを持ってきていないので、あわてて閉店間近のあるブランドショップに行き、シャツ、靴下、下着、ハンカチを購入、店のスタッフと雨の話をし、やむなく泊まることになったから買いにきた旨を話しました。「大変ですね…」とスタッフ。これからがすごい。「すぐにお召しになるのでしたら、タグは切っておきましょうか?」。

製品タグは、固いプラスチックのひもでシャツのボタン穴についています。ホテルでいざ着ようとしたとき、ハサミなど持っていませんから、切るに切れない。きっと翌朝私は困ったはずです。このスタッフに大いに助けられました。彼女は自分の仕事を、「シャツを売ること」としていないのです。「お客さんとの関係を結ぶのが自分の仕事」としているからこそ、心配りができた。ショップ販売員にとって「ちゃんとやる」とは、こういうことです。



顧客目線に徹する

滋賀県守山市でコーヒー豆の焙煎・販売をやっているカフェバード(www.cafebird.jp)は、顧客に発行するポイントカードを、店で預かるシステムをとっています。どこの店も顧客の囲い込みのためカードを発行します。先日、義父の葬儀の際、葬儀社までカードを発行していることを知り、驚きました。

こうやってポイントカードを貯め込んでいると、財布はパンパンにふくらみ、いざ使おうとするとレジ前で、「ええと、どれだっけ?」と探すのに一苦労。後ろに並んでいるお客さんからの「圧力」もあって(特に大阪のおばちゃんはすごい(笑))、結構ストレスフルです。預かってくれたら、とても助かります。

同店では、原則、初めて来店のお客さんのカードは預かりません(よほど話が弾めば別ですが)。理由は3つあるそうです。第一に、持っていたいお客さんがいる。第二に、カードを預かるのに名前を書いてもらう必要があり、嫌がる人もなかにはいるから。第三に、財布のカードを時々整理する人がいて、そのときにふと思い出してもらうため。そして、2、3回めの来店で「お預かりしますよ」と声がけすると、とても喜ばれるそうです。ちなみに、スタンプは月ごとに変え、300円で1つ捺すようにしています。このため、カードを見れば、そのお客さんが前回いつ来店したのかと購買金額が一目でわかるになっています。



小手先ではなく

ある不動産営業マンは、物件を案内する時、スーツが汚れるのも構わず、ひざをついて床下収納についてわかりやすく説明してくれました。ある宅配便ドライバーは、私が腰を痛めていることがわかったら、重い荷物を玄関先に届けてくれただけに留まらず、家の中まで運び入れてくれました。ある歯科医は、抜歯の後、「痛むかもしれないから、何かあったら24時間いつでもいいから電話するように」と自宅の電話番号をメモに書き、渡してくれました。顧客目線というと、「お客さんの立場に立とう!」といったかけ声だけで終わりがちですが、小手先ではなく、真剣に相手の事情を読み取り、理解し、何かできないか考えること。これが最重要ポイントです。

阪本さんの電子書籍新刊!
『Pricing yourself
わたしに値段をつける!?』

(Orange Inc.)
定価:1050円(税込)
www.orange-media.jp/archives/237

(2012年10月16日号掲載)