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ライトハウス編集部
ライトハウス編集部

199)人を育てる目標設定

マーケティング講座

こんにちは!阪本啓一です。

人を育てましょう!


成長したければ

「事業は人なり」。昔からよく言われる格言通り、事業を成長させたければ、人を育てることです。では、具体的に、どのように育てたらいいのでしょうか?

ズバリ、社員1人ひとりに目標を設定しましょう。ここで考えたいのは目標の設定の仕方です。会社によっては、社員の給与・賞与にリンクさせた目標を設定しているかもしれません。しかし、その目標は本人の成長に焦点を当てたものでしょうか?組織目標を小分けにブレイクダウンしただけのものではないですか?

また、目標というと、人(特にエグゼクティブ)は数字にこだわります。しかし、アメリカン・エキスプレスCMO(最高マーケティング責任者)、ジョン・ヘイズの次の言葉は極めて意義深いと思います。「人は数字で表せるものを過大評価し、表せないものを過小評価しがちである」。

学校時代は1学期、2学期と、学期で一年が区切られていました。しかし、ビジネスの世界に入ると、そういう区切りはありません。経営者にとっては会計で区切られた期がありますが、一般の社員にはありません。だからこそ半年に一回、目標設定をしましょう。経営者・マネージャーの仕事は、部下の目標設定を手伝い、プロセスを見ることです。結果を聞いて尻を叩くのが仕事ではありません。


行動をベースに

営業の場合は数値目標で目標が立てやすい、とよく言われます。しかしこれは大きな誤りです。数値目標で大切なことは、「なぜその数値なのか」「その数値目標を達成するために何の施策を実行するのか」です。上司は、市場環境や自社のポジションをよく見極め、かつ、本人の「できること」と「できないことだが挑戦してほしいこと」を行動ベースで判断します。あくまで精神論ではなく行動ベースにする。本人が一段上のステップに上がる行動ができるようになることです。

目標はできるだけ具体的に設定します。例えば、「今期はA工務店から受注を1件いただく!」という目標設定なら、「そのために何をする?」という行動も目標に設定するのです。すると「A工務店が毎週日曜日にやっているお客様感謝バザーのお手伝いに行く」とか「バザーで渡す粗品のアイデアを提案してお役に立つ」などが出てきます。この具体的な行動が重要なのです。

これは子供のしつけと同じです。脱いだ靴を揃えられる、トイレのふたを閉められる、使ったハミガキのチューブを洗面台の決められた場所に置ける、きちんとした子どもに育てたい時、「きちんとしなさい」と言ってもダメですよね(笑)。「靴を揃えなさい」「トイレのふたは閉めなさい」「チューブは元の場所に戻しておきなさい」と伝えて初めて達成できるのです。


常にチャレンジングな目標を

「目標設定はみんな(社員)を締め付けたりハッパをかけたりすることが目的ではない。せっかくご縁があって人生の大事な時間を過ごしてもらう仕事場なので、成長してもらいたい。会社は成長してもらえるような環境を整えるのが義務だと考えているから」ということをしっかり社員に伝えましょう。そして、既に業績評価が給与・賞与に反映されるような仕組みがある場合は、それに連動させるのか、させないのか、という点もはっきりさせておく必要があります。私は、仕組みがあるのであれば、連動させることをおすすめします。二重に目標があると煩雑ですから。常に「一歩上のステップ」に上がるような目標を設定してください。

エグゼクティブも例外ではありません。エグゼクティブの目標は、狭い業界内で横を見て、ライバルのX社よりシェアを増やす、とかいう「小さい」ものではいけません。業界そのものをひっくり返すにはどうしたらいいか。そもそもウチは何の価値を提供しているのか、という本質的な問いに答えるところから入ってください。デジタルカメラの顧客を奪ったのはカメラ業界の外にいた携帯電話でした。チャレンジしましょう!


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(2012年11月1日号掲載)