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アメリカでのビジネス・仕事

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ライトハウス編集部
ライトハウス編集部

219)捨てよう!

マーケティング講座

こんにちは!阪本啓一です。
捨てると、儲かります


ワンルームの教え

店舗にしても、工場にしても、訪問した一瞬で、そこが儲かっているかどうかわかります。ポイントは1つ。「整理整頓されているか」。

これは管理会計にもつながります。儲けるための管理会計の条件は投資とリターンが明確、つまり、お金の流れが明瞭であること。

仕事をする場所が整理整頓されていると、新しく入ったモノと、出て行ったモノがはっきりとわかります。整理されていないと、今、目の前にある荷物が「将来お金に化けるリターン候補なのか、それともせっかく投資したお金が不良在庫に化けて死んでいるだけなのか」判断がつきません。実はこの話は、私自身の体験からきています。

2011年秋、JOYWOW大阪オフィスを開設するにあたり、一戸建て4LDKの家からワンルームマンションへ移りました。荷物は到底入りきらないので、大半は処分しました。本も処分です。最初は「これでやっていけるのか」と不安でしたが、それが何とかなるのです(笑)。仕事にも生活にも一切支障が出ませんでした。そのうち私はあることに気付いたのです。モノがギリギリまで削られると、何かが増えたらすぐ目立つ。本にしても、モノにしても。それは、私のお金が「本」や「モノ」に変換したとも言えます。

さて、この変換つまり投資は、どんなリターンとして返ってくるのか。「ムダな投資はないか?」の視点で書棚を眺めてみます。すると、役立つと思って購入したけど、今となっては役に立たない本が並んでいます。書棚が占めるスペースにもコスト(家賃)が発生するので、そういう本は未練なく捨てましょう。

整理整頓されてモノがないと、「ピン」と張りつめた空気が流れます。掃除も楽です。しかし、出張が続いたりして整理がなかなかできず、デスクの上にモノが置きっぱなしになっていると、面白いことに、どんどんモノが増えていくのです。「1つくらい増えても…」という「気のゆるみ」が出るのでしょう。重要なのは、この人間心理です。

オフィスが乱雑で、書類は積み上がり、捨てていい段ボールと残すべき段ボールの区別すらつかない状態だったら、ますます書類と段ボールは増えます。「1つくらい…」が積み上がっていくのです。


捨てよう

私がコンサルティングでまず最初にアドバイスするのは、「捨てましょう」です。資料、本、在庫、何でもいい。すべて、すべて、捨ててしまったら何が起きるか。きっと何も起こりません。人が仕事したり、生活したりしていくにつれ、「積み上がって」いくだけなのです。

「整理整頓しましょう」と言うと、「何から始めればいいのかわからない」となります。そうではなく、「捨てる」意識にスイッチを切り替える。そのために、思い切ってオフィスや店舗を今の場所の半分の床面積の所へ引っ越すのもいいかもしれません。

新潟の建築事務所Fieldshop(http://fieldshop.net)の設計士、小林理恵子さんは設計する前に、その家の奥さんの収納コンサルティングをします。結果、新居の収納スペースを現在の家の3分の1に減らせるそう。つまり、家族の生活スペースがその分増える。コンサルティングなしに新居を計画したら、収納スペースが増える分、散らかる度合いも増えるだけかもしれません。

整理整頓をすると、モノの動きが可視化されるだけでなく、お金の流れ(投資とリターン)も見えるようになります。「これは要る、これは要らない」と判断した結果捨てるのではなく、「全部捨てる」くらいの気持ちで整理整頓をしましょう。


デジタル・データにも

物理的に場所を取っているものだけではなく、パソコンやスマートフォンの中のアプリ、写真も捨てましょう。特にデジタルデータは「いつか使えるかもしれない」と思うもの。でも、プレゼン資料や提案書は鮮度が命。デジタルデータであったとしても、確実に鮮度は落ちていきますので思い切って捨てましょう。

阪本さんの新著書が発売中!
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かせると、100万人に届く。』

(日本実業出版社)
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(2013年9月1日号掲載)