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アメリカでのビジネス・仕事

現地情報誌「ライトハウス」が人気コラム「アメリカ人と共に働く技術」をはじめ、起業・独立、マーケティングに関する情報など、アメリカでのビジネスに役立つ情報をご紹介。

ライトハウス編集部
ライトハウス編集部

【第6回】会社主催のホリデーパーティーは盛大?簡素?どちらが従業員に喜ばれる?

アメリカ人と共に働く技術

増田義彦◎2004 年渡米。某日系IT企業社長を歴任。Children Discovery Museum of San Jose 元理事。Japan Business Association of Southern California元会長。オーロラ日本語奨学金基金会長。

アメリカで10年間、数百人のアメリカ人の指揮を執ってきた日本人社長が、アメリカ人と働く極意を伝授します。


会社主催のホリデーパーティーは盛大?簡素?どちらが従業員に喜ばれる?

アメリカでは、11月下旬の感謝祭の翌日から1月1日までがホリデーシーズンです。この時期、会社では、従業員の一年間の貢献に対する感謝の気持ちを伝えるため、ホリデーパーティーが開催されます。以前は、こうしたパーティーはクリスマスパーティーと呼ばれていましたが、クリスチャン以外の従業員への配慮もあり、最近はホリデーパーティーの呼び名が定着しているようです。

私が赴任した当時(2004年頃)、こうしたパーティーは、盛大で華やかでした。平日の夜、ホテルの大きなパーティー会場に、従業員とそのパートナー(一般的には配偶者)を招待。カクテルで1時間ほど会場の外で談笑した後、着席してフルコースの食事を楽しみます。その後は、バンドが入って深夜までダンス。正装して紳士淑女となった従業員たちがお酒を飲んで陽気になり、普段と違った側面を見せてくれる、アメリカらしい楽しいイベントでした。

私の会社の事務所は、カリフォルニア以外に、ボストン、テキサス、コロラドなどにもありましたので、この時期になると妻と一緒に、これらの場所へも出張したものでした。しかし、ホリデーパーティーは次第に簡素化されていきました。

まず、場所がホテルのパーティー会場から近くのレストランに変更。しかも、従業員本人だけが出席し、パートナーの出席は認められなくなりました。まだこの段階では夕食会だったのですが、そのうちこれが昼食会にダウングレード。そして、最近は会場がレストランではなく、社内のカフェテリアに。料理も出前の極めて質素なものです。従業員へのせめてもの償いとして、当日は昼食後、帰宅してもいいことにしました。

他の会社の人に聞いても、最近、ホリデーパーティーが質素になってきているようで、多くの人が「きっかけはリーマンショックにあった」と言います。リーマンショック後、多くの会社が経費削減のためにホリデーパーティーを簡素化したのが、そのまま定着してしまったようです。


パーティーで従業員と仲良くしすぎるのはNG

簡素化が定着した理由にはいくつかの説があります。第一に、米国人は会社のために多くの時間を割くことを好まず、もともと会社主催のホリデーパーティーを止めたがっていたという説。第二に、最近アルコールに対する取り締りが厳しく、会社行事でアルコールを出すことに、会社側が慎重になり始めたという説。

まあ、どちらも一理あると思います。ただ、日本人の私は、イベントが簡素化されて少しほっとした部分もありました。それは、ホリデーパーティーで従業員の夫婦同士の付き合いが始まると、その従業員を解雇せねばならない事態に直面したときに、冷静な判断をしようとしても、躊躇してしまうからです。実際、こうしたパーティーを通して従業員と家族同士での付き合いをあまり深めてしまうと、解雇に慣れていない日本人は居心地が悪くなってしまう場合もあるので注意が必要です。

アメリカ人が会社主催のホリデーパーティーが好きなのか、嫌いなのかは、今もよく分かりません。まあ、日本でも宴会好きの人もいれば、宴会嫌いの人もいるように、人それぞれなのでしょう。ただし、良くも悪くもホリデーパーティーは、アメリカ人にとってかなり関心が高いイベントであることは確かです。幹部会議で、ホリデーパーティーを議題に取り上げると、普段寡黙な幹部も議論に参加し、喧々諤々の白熱した議論になります。また、かなり多くの従業員が、何年も前のホリデーパーティーの写真を自分の机の上に大切に飾っていたりします。

ホリデーパーティーをどう行うかによって社長の評判も変わってきますので、慎重に計画しましょう。


(2014年10月16日号)