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アメリカでのビジネス・仕事

現地情報誌「ライトハウス」が人気コラム「アメリカ人と共に働く技術」をはじめ、起業・独立、マーケティングに関する情報など、アメリカでのビジネスに役立つ情報をご紹介。

ライトハウス編集部
ライトハウス編集部

【第1回】アメリカ社会で適切にマネッジするため日本人が理解しておくべきこととは…

アメリカ人と共に働く技術

増田義彦◎2004 年渡米。某日系IT企業社長を歴任。Children Discovery Museum of San Jose 元理事。Japan Business Association of Southern California元会長。オーロラ日本語奨学金基金会長。

アメリカで10年間、数百人のアメリカ人の指揮を執ってきた日本人社長が、アメリカ人と働く極意を伝授します。


アメリカ社会で適切にマネッジするため日本人が理解しておくべきこととは…

2004年に日本企業の米国子会社の社長を拝命し、米国に渡り、10年が経ちました。それまで日本企業で働いてきた人間がいきなり言葉も文化も違う、数百人の米国人をマネッジするわけですから、マネッジする側にもされる側にも、さまざまな苦労が生じました。

最近は若者が海外に出ないとか、海外の日本人が日本人同士で固まったりとか、内向きな日本人がクローズアップされています。ここロサンゼルスでも、本当の意味でアメリカ人社会に飛び込んで活躍されている日本人の方は、残念ながらそれ程多くありません。でも、日本が本当にグローバル化していくには、日本からどんどん有能な人材が海外に出て、外国人をもマネッジしていく必要があります。

日本企業の米国子会社の社長業が難しいのは、単純にアメリカ社会に飛び込むだけでは、不十分だからだと思います。アメリカ社会を理解しつつ、アメリカ人にも、日本人の考え方や、日本企業のやり方を理解してもらわなければならないのです。

私は米国駐在以前、カナダに7年間駐在、また、会社から米国短期留学の機会等も与えられ、北米のことはよく分かっていたつもりでしたが、実際、社長になってみると本当に大変。頑張れば頑張るほど、今までの自分のやり方が間違っていたことに気づき、反省の毎日でした。

そこで、この連載コラムでは、全12回で、私が10年間アメリカ人と働いて苦労した点や、社長としてうまく彼らと働くコツなどを書いていきたいと思います。


経営管理手法は同じでも日米間では理解が違う

次回以降、最初の4回は、経営上重要な4つのフェーズについて、日米の違いを考察。多くのビジネス書には、社長の最も重要な仕事は、目標の設定、目標の伝達、目標の実行、フィードバックの4つのフェーズだと書いてあります。米国生まれのこの経営管理手法は日本でも定着しています。ところが、日本では米国と全く違う形で定着しており、そのまま米国に持ち込むと大変なことに。まず、これら4つのフェーズでの日米の違いを整理していきます。

第二に、米国と日本で随分とやり方が異なり、戸惑うものを整理していきます。解雇、ホリデーパーティー、目標設定、社内規則等です。これらは、日本の常識で考えると対応を間違えますし、逆にこれらを理解すると、社内での米国人の不可解な行動も分かってきます。

第三に日本にあって米国にない習慣を整理してみます。報連相、おとしどころ、全体最適。こうした日本企業の習慣をどう米国企業に取り入れていくのか、考えていきます。

アメリカでは「遊びはみんなでしろ、仕事は一人でしろ」と教えられるそうです。「仕事もみんなでする」日本人とは、仕事に対する姿勢が随分と異なります。また、アメリカでは、会社での人との接し方について「フレンドリーであれ。でもフレンドにはなるな」と言うそうです。解雇を前提とする社会では、いつ首を切ったり、切られたりするか分からず、そうした際の気まずい思いを避けるための知恵でしょう。こうした感覚は日本人には分かりづらいものがあります。

連載の最後には、こうした日米の違いを踏まえて、社長として押さえておくべき重要なことを考察したいと思います。

最初にお断りしたいのは、私が述べるのは、私の限られた経験をもとにした、私自身の考えであり、それは、正しいかもしれないし、間違っているかもしれないということです。皆様から色々なフィードバックを頂けるのを楽しみにしています。


(2014年8月1日号)