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独立・起業マニュアル
(6)体験談:「たまえん」オーナー・東山昌史さん

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オープンまで3年
資本は余裕を持って

「遅くまで開店するなど、アメリカにないような
サービスを目指しました」(東山さんと京美夫妻)

 大阪で焼肉屋をやっていましたが、ロサンゼルスに住む友人を訪ねて遊びに来たのが、こちらで店をやろうと思ったきっかけです。ちょうど大阪の店が立ち退きになることが決まり、別に店舗を探さなければならない時期だったのです。2年間ほど、年に3、4回来て、店舗探しやマーケット調査などをしました。

 ロサンゼルスでは、夏は9時くらいまで明るいのに、レストランはほとんど10時で閉店してしまいます。暗くなって「さあ、何か食べようか」という頃には、閉店間際ということが多いので、第1の希望は遅くまで営業することでした。そのため店舗を探す際は、客層に加えて、治安面を最優先しました。今の場所に決めたのは、大通りに面しており、治安が良かったからです。

 弁護士は雑誌で調べて見つけましたが、実際に内装工事の契約をしてからオープンするまで、1年近くかかりました。というのも、工事の許可を取るのに9カ月ほどかかったのです。例えば壁の工事をする前に、壁の中に水道管が入っているかどうかを保健局がチェックするのですが、見に来てもらうのに1週間かかるなど、壁1つ作るのにも時間がかかりました。日本では、建物がないところに一から建てても、3カ月もあれば大丈夫です。それが内装工事だけなのに1年近くかかったわけで、その間、収入はないのに家賃を払わなければならず、これは大きな計算違いでした。結局、ロサンゼルスに店を出そうと思ってから、オープンまで3年かかりました。

 リカーライセンスは指紋押捺が必要ですが、意外に早く、3カ月以内で下りました。オープン4日目に保健局の人が検査に来ました。ABCレジストレーションは減点方式で、事細かな規定があります。例えば、卵や肉などは、冷蔵庫の中で割れた時や肉汁がたれた時のために1番下に置かなければなりません。調理用の3層シンクで網を洗うのも違反で、網は別のシンクで洗わなくてはなりません。保健局の検査は、年3、4回、抜き打ちで行われます。

 これからアメリカで店を出そうと思っている人は、資本に余裕を持って準備したほうがいいですね。家賃や保険、税金などの経費も、私がいた大阪より高いと思います。しかし、こちらでは新しく店がオープンするとすぐにお客さんが来てくれます。オープンして3日間は半額サービスを実施したのですが、それで顧客がついてくれました。大阪では、新しく開店しても、そういうわけにはいきません。自分で作っているので、美味しいものを出せばいけると自信を持っていました。美味しいものを心からサービスすれば、日本であれアメリカであれ、お客さんはそれに応えてくれるものだと思います。

「たまえん」がオープンするまで
■2001年 友人を訪ねてロサンゼルスに。レストラン開業を決める
■その後2年間、年3、4回渡米して、マーケット調査やロケーション調べ
■2003年5月 ロミータ市で店舗契約。工事許可を取得するのに9カ月かかる
■2004年3月 炭火焼肉「たまえん」オープン

Tamaen
1935 Pacific Coast Hwy., Lomita
☎310-326-0829