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ライトハウス編集部
ライトハウス編集部

Tyler Perry's Madea's Family Reunion

何があっても家族に戻ろう
そこには愛があふれている

ジャンル:コメディー

オススメ度:☆☆☆☆

Rating: PG-13
○出演 | タイラー・ペリー、ブレア・アンダーウッド、リン・ウィットフィールド、他
○監督 | タイラー・ペリー

©2006 Lions Gate Entertainment & Tyler Perry Inc.

(2006年3月16日号掲載)

ジャンル: タイラー・ペリーって一体誰? タイトルに本人の名前を冠し、プロデュースから脚本、監督、音楽に至るまでを手がけた本作は、公開と同時に興行収入ナンバー1。おまけに本人自ら、主役のマデア、兄のジョー、そして甥のブライアンと、1人3役を演じる多才さを披露。この名前に馴染みのない方にとっては、一体どこからいつ、飛び出してきたの? と驚きを隠せない人材ですが、実は筋金入りの人気者なのです。

 1969 年ニューオーリンズ生まれのペリーは、18 歳の頃から劇を書き始め、彼が今までに作り上げた劇8本のチケット収入& DVD 売上総額は75 億円以上にも及ぶそう。映画館の観客の盛り上がりが、その人気ぶりを裏付けています。

 本作は昨年公開された『Diary of a Mad Black Woman』の続編。南部の肝っ玉女性・マデア(ペリー)は、その強引かつ天性のカリスマ性で、家族の再結に奮闘する。反抗的な家出少女のニッキ(キキ・パルマー)を少々手荒いしつけで更生させ、姪のリサ(ロッシェル・アイティス)とヴァネッサ(リサ・アリンデル・アンダーソン)の恋愛の悩みを温かく見守り、母と娘の憎しみ合いにはストレートに喝! 婚約者に暴力をふるう新郎には惜しみなく愛のムチをお見舞い…と、あらゆる策略を練りながら、でしゃばらず、大家族を平和に向かわせていく。

 奴隷としてこの大陸に連れて来られた先祖たちが、プライドと尊厳と愛を持って闘いながら歴史を築き上げてきたアフリカ系アメリカ人。時代を担う若き男女の中には、非行に走ったり、家庭内暴力を繰り返したり、あらゆることに無関心になったりする者も…。そんな彼らに、「どんな思いで先祖が闘ってきたか、自分たちが生きていることがどれほど美しいことかを、もう1度思い出そう」というメッセージを、お説教じみた手法ではなく、マデアを通して滑稽&ポップに伝えているところがペリーらしさなのです。

ルーツや家族愛や絆…潔さと格好良さを感じる作品
 
 この映画の不思議なところは、コメディーとドラマ、フィクションとドキュメンタリー、ラブストーリーと家族ドラマ、というように、いろいろな要素が絡み合っているところ。急なシーン展開やストレートすぎる台詞が気になり、一瞬「実は駄作?」という思いが頭をよぎります。けれど、それもペリーが信念を持ってすべての想いを込めているからこそ。
 作品としての出来どうこうより、強い意志を持ったオピニオンリーダーが、恥らうことなく自分たちのルーツ、家族の愛と絆を映画に描き出している様子に、潔さと格好良さを感じます。 そして、本作の撮影監督を務めるのは、大島渚監督『御法度』などの撮影で知られる栗田豊通氏。家族の絆を大切にし、いろいろな歴史を刻みながら作り上げられてきた日本を同郷に持つ私たちにも、何かを感じさせてくれる1本です。