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ライトハウス編集部
ライトハウス編集部

V for Vendetta

決して忘れない
自由と正義を取り戻すまで

ジャンル:スリラー

オススメ度:☆☆☆☆☆

Rating:R
○出演 | ナタリー・ポートマン、ヒューゴ・ウィービング、スティーブン・レイ、他
○監督 | ジェームズ・マクタイグ

©2006 Warner Bros.

(2006年4月1日号掲載)

ジャンル: 舞台は、全体主義に支配されている近未来の英国。若い会社員のイヴィ(ポートマン)は、ある晩、絶体絶命のピンチを「V」と名乗るマスクの男(ウィービング)に救われ、2人の不思議な関係が始まる。絶対服従を強いる堕落した政府。そこから国民を解放することに、命を捧げる活動家である「V」。優しくスマートである反面、時に冷酷かつ暴力的で、常に復讐に燃えている「V」の過去には何があったのか?

 そして、「V」の謎めいた過去を知ると同時に、幼い頃、目の前で両親を殺害された自分の中に宿る、潜在的な活動家としての血に目覚めていくイヴィ。想像を絶する経験を乗り越えた2人が、自由と正義を取り戻すために闘う決戦は、11 月5日。1605 年、暴君政府に対して反乱を起こしたガイ・フォークスが拷問の末に殺害された日である。その魂を引き継ぎ、今、議会を吹き飛ばす計画が実行される…。
 
 製作と脚本を手がけるのは『マトリックス』3部作のアンディ&ラリー・ウォシャウスキー兄弟。1988 年に発売されたアラン・ムーア原作、デビッド・リロイド作画のコミックの大ファンであった兄弟が、『マトリックス』製作の間を縫って仕上げた脚本です。マクタイグ監督は、本作が長編映画監督デビューでありながら、助監督として『マトリックス』3部作、『スターウォーズ・エピソード2』などを手がけているだけあり、アクション・スリラー・SF・ドラマを素晴らしい!センスで融合しています。

演技派の2人が体当たりで挑む迫真の演技に圧倒
 
 普通の会社員から政治的ヒロインへと生まれ変わるイヴィを演ずるのは、時代を問わない美しさと品格で、今やハリウッドのトップ女優と言えるポートマン。『レオン』で、殺し屋を演ずるジャン・レノと絆を深める少女・マチルダ役として強烈な印象を残して以来、まったく異なる役を丁寧に演じながら、いつも私たちを驚かせてくれます。「『V』は概念として描かれているの。『V』が無敵な理由は、人は殺せるけど、概念は決して殺せないからよ」と語るポートマンが、撮影中にカメラの前で髪をすべて剃るシーンには、演技を超えた思い入れを感じます。
 
 最後まで素顔を見せない「V」を演ずるのは、オーストラリア人俳優のウィービング。『ロード・オブ・ザ・リング』のエルフの長・エルロンド役や『マトリックス』のエージェント・スミス役で知られる彼。「マスクをしての演技は、まさに挑戦だったよ。声による感情表現はもちろんだけれど、他にも小さな工夫や滑らかな動きで、マスクに命を与えることができるんだ」。新しいマスクヒーローの誕生! 個人的には、ニンマリしたマスクは気味が悪くて怖いのですが、映画が終わる頃には「V」に恋していました。
 
 「V」とイヴィが命をかけて問いかける「政府が国民の声を聞かなくなったら?」「テロリズムが正当化されることがあり得るとしたら?」というメッセージ。近未来の英国だけの物語ではないかもしれませんね。