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今週のオススメシネマ

ライトハウス編集部
ライトハウス編集部

The Fast and the Furious: Tokyo Drift

東京の見所がいっぱい
だからこそ、がんばれニッポン俳優陣!

ジャンル:アクション

オススメ度:★★★

Rating: PG-13
○出演|ルーカス・ブラック、シャド・グレゴリー・モス、
ナタリー・ケリー、他
○監督|ジャスティン・リン

©2006 Universal Pictures Distribution

(2006年7月1日号掲載)

ジャンル: 恵まれない家庭環境やうわべだけの人間関係に飽き飽きしているショーン(ブラック)。ストリートカーレースとなると我を忘れ、問題児として引越しを繰り返してばかり。新しい街でもとんだ騒ぎを起こし、刑務所生活を逃れるために、疎遠となっていた父の住む東京で暮らすことになる。正真正銘の「外人」として異文化生活を始めるショーンは間もなく、米国出身の友人トウィンキー(モス)に連れられ、東京の本場ドリフトレースの世界に入り込んでいく。ハーン(サン・カン)の手ほどきを受けてドリフトをマスターするショーンは、やがて「ドリフト・キング」の異名をとるD・K(ブライアン・ティー)とそのバックにつくヤクザ(千葉真一)との対決を迎える。
 車が左折すると頭が左へ、ドリフトすると腰が右へ。思わず体が変な方向に曲がってしまうほど臨場感とスピード感があり、甘酸っぱいロマンスもありで、なかなか楽しめます。なんといってもうれしいのは、懐かしき東京の風景の数々。人ごみ溢れる渋谷の真ん中をレースカーが突っ走るシーンを見て、「東京も映画のロケにオープンになったなぁ」、ストリートカーレースの世界にハマる若者たちの姿を見て「これって本当なの?」と、いろいろな意味で新鮮な驚きもあり。芸者でも侍でもなく、今の日本がそのまま舞台になっている点では、もうひとつの『ロスト・イン・トランスレーション』と言えるかもしれません。

言葉や文化の壁を乗り越えて
世界的スターとして輝いてほしい


 日本人として残念に思うのは、『メモワーズ・オブ・ア・ゲイシャ』に引き続き、準主役陣は英語が堪能なアジアの俳優たちであること。舞台は東京、日本語を話すシーンも多いけれど、私たちから見たら、ウーン…と唸らずにはいられない。アメリカ人のマーロン・ブランドだってイタリアンマフィアを演じていたとか、日本文化を伝えるドキュメンタリーではなく、あくまでもエンターテインメントだからとか、日本人役に他国のアジア人俳優を配する言い訳は数多くあります。映画が上映される世界各国の、日本に馴染みのない観客にとって、重要なのは内容だし、「これが日本と言われれば、日本でしょ」という感じでしょうが、ちょっと寂しい。
 ハリウッド映画に登場する日本人俳優が増えてきたこの頃。ただでさえ厳しい世界に、言葉や文化の壁を乗り越えて挑戦するのは並大抵のことではないし、あの大きなスクリーンに日本の顔とアイデンティティーを映し出すための先駆者の苦労は大変なものだと思います。それでも、日本人が日本人役として、もっと言ってしまえば、国籍なんて関係ない「世界的スター」として、スクリーンで輝く日を楽しみに、心から応援したいですね。

 映画を観た後は、妙にドライブが楽しかったりするけれど、くれぐれも安全運転で!