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今週のオススメシネマ

ライトハウス編集部
ライトハウス編集部

Little Miss Sunshine

世界で1番落ちこぼれだけど
世界一ハッピーな家族のお話

ジャンル:ドラマ

オススメ度:★★★★★

Rating: R
○出演 | スティーブン・カレル、グレッグ・キニア、トニー・コレット他
○監督 | バレリー・ファリス、ジョナサン・デイトン

©2006 Fox Searchlight Pictures

(2006年8月16日号掲載)

ジャンル: 「どんな映画が1番好き?」と聞かれたら、きっと、「泣き笑いができる映画」と答えます。ポロポロ泣いた後に、キャハハッと笑って、体中がジーン。そんな心震わす1本に、久々に出会いました。今年1月に行われたサンダンス映画祭では、上映館中がスタンディング・オベーション、「フォックス・サーチライトが最高の契約額で作品を買い取った」と会場の話題を独り占めしていた本作。タイトルもキャストもストーリーも好みだなぁと思いながら、泣く泣く見逃したサンダンスから半年間、待ちに待った瞬間は、宝物のような時間でした。

 フーバー家には問題が山積み。冴えない「成功への哲学プログラム」を販売することに情熱を燃やす超楽観主義者の父・リチャード(キニア)、家族のトラブルに振り回される母のシェリル(コレット)、ゲイの三角関係に破れ、自殺未遂をする叔父・フランク(カレル)。ミスコン優勝を狙うぷっくりした7歳の女の子・オリーブ(アビゲイル・ブレスリン)、フリードリヒ・ニーチェの思想に染まり、沈黙を保つ思春期の兄・ドウェイン(ポール・ダノ)。極めつけは、ヘロイン中毒で老人ホームを追い出された祖父(アラン・アーキン)。そんな一家は、美少女コンテスト「リトル・ミス・サンシャイン」を夢見るオリーブのため、ニューメキシコ州のアルバカーキから、会場のレドンドビーチへとおんぼろバスで旅することに。どこかミスマッチな家族メンバーたちは、それぞれの思いや挫折を抱える3日間の旅を通して、少しずつ団結していく。

宝物のような時間を満喫
今年ナンバーワンの1本


 本作の出演メンバーは、父と母、兄と妹、叔父と祖父のたった6人。喜怒哀楽や落胆、興奮、絶望など、人間を構成するいろいろな感情の中で、何かひとつだけが飛びぬけて強力なために、一見ちょっとアブノーマルな彼ら。でも、ネガティブ&ポジティブないくつもの感情が合わさって魅力的な人間が存在するように、その個性が集まってステキな家族ができあがる様子を見せてくれます。誰に笑われようと、他人に迷惑をかけようと、一生懸命、生きようとしているメンバーを条件なしにサポートする姿を観て、1人ではアンバランスでも、みんなが手をつなげば「家族」という強力なチームになるのだなぁと。

 ミスコン本番の前夜に、突如、不安にかられたオリーブが、おじいちゃんに聞きます。「おじいちゃん、私、きれい?」。オリーブが1番欲しい答えをくれる、おじいちゃん。そんなシーンを見ていたら、どんなに心配をかけても、問題を起こしても、いつでも大きな笑顔で「大丈夫、大丈夫。世界一の孫だから」と言ってくれた最愛の祖父を思い出して、ポロポロモードになった私。世界中の人がそっぽを向いても、必ず自分の味方になってくれる存在のあたたかさに包まれてジーンとしました。