遊ぶ
Leisure

今週のオススメシネマ

ライトハウス編集部
ライトハウス編集部

Hollywoodland

ハリウッドという名の
悲しきビジネスランド

ジャンル:ロマンス

オススメ度:★★★★

Rating : R
○出演 | エイドリアン・ブロディ、ダイアン・レイン
    ベン・アフレック、他
○監督 | アレン・コールター

©2006 Focus Features

(2006年9月16日号掲載)

ジャンル: 1959年6月19日、人気TV番組『Adventures of Superman』のヒーロー、スーパーマンを演ずる俳優のジョージ・リーブス(アフレック)がハリウッドの自宅で謎の死を遂げる。1発の銃弾によって死を迎えたジョージ。現場を目撃した者は誰1人なく、警察が自殺と判断して事件をクローズしようとする中、母のヘレン・ベッソロ(ロイス・スミス)は、私立探偵のルイス・シモ(ブロディ)を雇い、真相を突き止めようとする。MGMスタジオの幹部であるエディ・マニックス(ボブ・ホプキンス)の妻・トニー(レイン)とジョージの不倫関係に真相解明の鍵があると見込んで追っていくルイス。が、ハリウッドで真実と正義を暴くことは容易ではなく、嘘で塗り固められた名声と金の世界の犠牲者となったジョージの姿を、問題が山積みの自分自身の人生に投影していく…。

華やかな世界の裏にある
悲哀をお洒落に描く1本


 実話をもとにした本作の脚本を担当するのは、「子供時代にスーパーマンを観て育った」と言うポール・ベルンバウム。俳優が演ずるTVの中のキャラクターと実生活の素顔を区別できない子供たちにとって、リーブス=スーパーマンの死の衝撃は大きかったはず。そんなエピソードも交えつつ、本作は、ハリウッド中が知っていながら、エディの圧力によって、どのメディアも記事にすることがなかった、ジョージとトニーの不倫関係を中心に展開していきます。アフレックとレインのコメントは、悲哀に満ちるハリウッドの恋愛を象徴しているよう。「出会った時は、ジョージがほしいものをすべてくれたトニーも、最終的には、彼を縛って不幸せにする象徴のようになった。でも、実際には彼女を失った瞬間から、彼の人生は転がり落ちていったんだ」(アフレック)。「どの恋愛関係でも同じだけれど、人は成長して変わっていくもの。お互いがまったく変わらなかったら、上手くいっていたかもしれない。トニーは、ジョージに他に目を向けずに、自分とステイしてほしかったのよね。」(レイン)。

 ハリウッドビジネスに身を置くということ。俳優の恋人や妻・夫を持つということ。1度、大きな役がついてしまうと、そのイメージを変えるのに苦労して「一発屋」として消えていく人がどれほど多いかということ。「映画の都ハリウッド」という華やか過ぎる世界の裏に、つぶされ、消され、傷つき、悲しむ人々がどれほど多いかということを、さまざまな例を出して、スタイリッシュに描いている点が好きです。

 ハリウッドだからこそ起きている悲哀と、世界中のどんな恋愛関係にも当てはまる悲哀が交ざり、何とも絶妙な感情を引き出してくれる1本。「寝る直前にピザを食べて20ポンド増やしたよ」というアフレックを含め、実在の人物を演ずるキャストの素晴らしさも申し分なし。特に、ブロディが画面に出ていると、126分などあっという間に過ぎてしまうのは、いつものことですね。