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ライトハウス編集部
ライトハウス編集部

The Black Dahlia

昔も今も人々を狂わせる
世紀のブラック・ダリア事件

ジャンル:スリラー

オススメ度:★★★★

Rating : R
出演 | ジョシュ・ハートネット、スカーレット・ヨハンソン、
   ヒラリー・スワンク、他
監督 | ブライアン・デ・パルマ

©2006 Universal Pictures

(2006年10月1日号掲載)

ジャンル: 1947年、ロサンゼルス市内の空き地で発見された惨殺死体。腰から切断、口を耳まで切り裂かれた上、内臓を抜き取られ、きれいに血を洗浄された全裸女性の正体は、ハリウッドスターを夢見るエリザベス・ショートであった。漆黒の髪と青白い肌から「ブラック・ダリア」と呼ばれた彼女は、なぜこのような結末を迎えなければならなかったのか? 実際の迷宮入り事件をもとに、1つの死体が放つ妖艶な匂いに魅せられ、消耗された人々の物語を描いていく。

 元ボクサーの若手刑事2人組、リー・ブランチャード(アーロン・エッカート)とバッキー・ブライカート(ハーネット)。リーの同棲相手・ケイ(ヨハンソン)とともに、愛情と友情に溢れる幸せな時間を過ごしていたが、エリザベス・ショート(ミア・カーシュナー)の猟奇殺人事件の捜査を命じられ、運命を狂わせることに。ブラック・ダリア事件の捜査に異常なほどにとり憑かれるリーが、ケイとの関係を危機に陥れる一方で、バッキーは、捜査の途中で誘惑された大富豪の娘・マデリーン・リンスコット(スワンク)との情事にのめりこんでいく。

 エリザベスと瓜二つのマデリーンとその一族にまつわる秘密、1本のレズビアンポルノフィルム、映画『笑う男』、不気味な道化師の肖像画に、バスルームの床に隠された大金。バラバラに散りばめられたキーワードが意味するものは? 彼と彼の友情、彼と彼女の情愛、兄と妹の過去、父と娘の不健全な間柄、妻と友人のおぞましい計画。複雑に絡み合った人間関係と思惑、執念、狂気、妄想が真実をくらまし、自分が本当に守りたいもの、そして自分自身までも見失ってしまうリーとバッキー。衝撃の事実と大切な真実に行き着いた時には…。

実際の迷宮入り事件が原作
注目の若手俳優が総出演


 「推理小説はこうでなきゃ」というスリリングさに、「映画になったらもっとすごい!」という満足感。原作は、10歳の時に実母を殺害された経験を持つ犯罪小説作家・ジェイムズ・エルロイ。監督は、アル・パチーノ主演の『Scarface』やケビン・コスナー&ショーン・コネリー主演の『The Untouchable』、トム・クルーズ主演の初代『Mission: Impossible』を世に送り出したデ・パルマ。

 1940〜50年代のクラシック映画に見られるフィルム・ノワールなテイストに彩りを添えるのは「この人が出演しているなら、とりあえず観ておきたい」と思わせる、今をときめく若手俳優のオンパレード。まさに銀幕の王子と呼びたいハートネットに、若くして大女優の風格漂うヨハンソン、『Boys Don't Cry』では性同一障害の女性、『Million Dollar Baby』ではボクサー役を好演してアカデミー2冠を達成したスワンク、今年始めの話題作『Thank You for Smoking』でエネルギーを炸裂させたエッカート。60年前に人々を衝撃に陥れた殺人事件が、現代色に塗りかえられて語り継がれる様子に引き込まれます。それにしても、真犯人は一体…?