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ライトハウス編集部
ライトハウス編集部

The Departed

警察とマフィアのダブルライフ
偽りと真実が交わる終着点は

ジャンル:アクション

オススメ度:★★★★★

Rating : R
◎出演 | レオナルド・ディカプリオ、マット・デイモン
    ジャック・ニコルソン、他
◎監督 | マーティン・スコセッシ

©2006 Warner Bros.

(2006年11月1日号掲載)

ジャンル: 舞台は南ボストン。マフィアの組織犯罪に挑む州警察は、若い秘密捜査員・ビリー(ディカプリオ)を、マフィア王・コステロ(ニコルソン)が仕切る犯罪組織に潜入させる。一方、コステロは、幼い頃から世話をしてきた有能な手下のコリン(デイモン)を州警察に潜入させる。明晰な頭脳と度胸で、ビリーはコステロの信頼を築き上げていき、コステロの情報に詳しいコリンは、組織犯罪捜査チームでの地位を上げていく。自分の本当の身分と正反対の偽りの仕事。ダブルライフの深みにハマっていく男2人が、「本当の敵=お互い」に気づく時は刻々と迫っていた・・・。
 香港映画『インファナル・アフェア』のリメイク版である本作。プロデューサーに名前を連ねるのは、『リング』や『呪怨』などの日本ホラーにいち早く目を付け、アジア映画の新しい可能性をハリウッドに知らしめた「リメイク仕掛け人」、ロイ・リー氏。韓国系アメリカ人であるリー氏には、年間500本を超える脚本が送られてくるそうで、その眼鏡にかなった台本や映画が、ハリウッド版リメイク製作への切符を手にするようです。メジャースタジオからの信頼も厚く、『南極物語』のリメイクである『Eight Below』、韓国の『イルマーレ』のリメイク版『Lake House』など、ジャンルもホラーを超えて留まることを知りません。

脇役も一流の豪華キャスト
でも、注目はスコセッシ監督


 今回のリメイク劇では、アジアの煌くスター俳優、トニー・レオン(『恋する惑星』『花様年華』)とアンディ・ラウ(『今すぐ抱きしめたい』)が、ハリウッドの眩しいトップ俳優、ディカプリオとデイモンになって生まれ変わるのだから、こんなに女心をくすぐる、いえ、心躍る企画はないと思いません?
 2人の男に指示を出すマフィアのボスを演じるのは、ベテラン暴れ馬のニコルソン。若い2人を生かしつつも殺さず、自分の存在感は決して薄れさせない迫力の演技は、ハリウッドでの彼自身のポジションを映し出しているようで、お見事。また、真剣な場面にコメディーセンスを織り込むのが大得意なマーク・ウォルバーグや、生真面目な大ボスのマーティーン・シーン、ケンカっ早い小ボスのアレック・ボールドウィンと脇役陣も絶妙です。
 そして、荒々しさの中に悲哀が漂うギャング映画ならこの人、スコセッシ監督。「スコセッシに依頼されて、出演を断れるわけがない」と、監督を信頼、尊敬するディカプリオとは『Gangs of New York』『The Aviator』に続くタッグで、化学反応も抜群。過激な発言や残酷な描写(プラス、ちょっぴりロマンス)を、ここまでお洒落にまとめられる監督は、そういません。こんなにダークでバイオレントな映画を作っているのに、本人の顔は完全に「陽」。その人柄とメッセージが、俳優たちを虜にして離さないのでしょう。と、監督絶賛になってしまいましたが、作品も迫力&ドラマ満点です。