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ライトハウス編集部
ライトハウス編集部

Breach

新人FBI工作員が命をかける
衝撃のスパイと裏切りの洗礼

ジャンル:スリラー

オススメ度:★★★★

Rating : PG-13
◎主演 | クリス・クーパー、ライアン・フィリップ、ローラー・リニ、他
◎監督 | ビリー・レイ

©2007 Universal Pictures

(2007年3月1日号掲載)

ジャンル: 舞台は、国家の鍵を握る米国連邦捜査局。FBIエージェントとして一旗挙げることを夢見るエリック・オニール(フィリップ)は、ある日、冴えない調査係から大抜擢され、FBI内の全機密資料を管理する新しい部署「情報管理部」で、名高い諜報員のロバート・ハンセン(クーパー)のために働く任務を命じられる。願ってもない名誉に興奮するエリックだが、間もなく、自分の本当の任務が、直属のボスであるハンセンのスパイであることに気づく。ゴールは、ソビエト連邦への情報漏洩の疑いがかかるハンセンに限りなく近づき、最大級の信頼を得たところで、すべての事実を暴くこと。思いも寄らない心理合戦に巻き込まれるオニールは、国家や家族の危機を救い、伝説のエージェントになることができるのか。その洗礼は、あまりにも厳しいものであった…。

 実際に起きた事件をもとに練り上げられたサスペンスは、次から次へと仕掛けられる罠と駆け引きで、緊迫感を持続させてくれます。全体的に暗いトーンが閉塞感を増し、何を考えているのか読み通せない、思わせぶりな登場人物たちに翻弄されまくり。味わい深い俳優No.1のクーパーの、陰険で冷酷なボスっぷり、感情を表に出さない寡黙さに、かえってイライラが募るフィリップの部下っぷり、そして、ひそかにキーパーソンとなるローラ(リニー)の明確な助言っぷり。助演歴の長い実力派たちのコンビネーションは見ものです。

多彩な人間模様を描き出す
謎多き国家諜報機関

 監督は、離陸後の機内で行方不明になった娘を探す母親の姿を描いた心理サスペンスドラマ、『Flight Plan』(主演・ジョディー・フォスター)の脚本を担当したレイ。スクリーンの迷宮に入り込み、キャラクターと一緒に謎解きをしているような臨場感に、ご期待を。

 いつの時代も映画人やジャーナリストたちにインスピレーション(と生命の危険)を与え続けるFBIやCIAなどの国家諜報機関。そのエージェントたちが絡み合う映画は、大きく分けて、ドラマ、アクション、サスペンスの3パターンがあると言えます。ハチャメチャながら、どこかスタイリッシュなギャング映画の流れを汲んだマーティン・スコセッシ監督の『The Departed』はアクション系、家族を顧みず、国のためには手段を選ばぬCIAトップエージェントの心理を描いたロバート・デ・ニーロ監督&マット・デイモン主演の『The Good Shepard』はドラマ系。そして、上司と部下の欺き合戦である本作は、正真正銘のサスペンス系。

 ここ2カ月だけでも、これだけ違った人間模様が描かれるほどのミステリアスな機関ですが、そのメンバーたちは、あちらこちらに散らばっているとか。隣のアノ人も、普通に笑っているコノ人も?すべての事件には理由があり、歴史はすべて計算されたもの? 研究テーマがまた、増えそうです。