遊ぶ
Leisure

今週のオススメシネマ

ライトハウス編集部
ライトハウス編集部

Dreamer: Inspired by a True Story

馬と娘と父
調教されているのは一体、誰?

ジャンル:ドラマ

オススメ度:☆☆☆☆

Rating:PG
○出演:カート・ラッセル、ダコタ・ファニング、エリザベス・シュー、他
○監督:ジョン・ゲイティン

©2005 DreamWorks LLC

(2005年11月1日号掲載)

ジャンル: 競走馬の名調教師であったベン・クレーン(ラッセル)は、今ではリッチな馬主の雇われ調教師として働く身。ベンに育て上げられた美しい競走馬のソーニャ(本名の「ソーニャドール」は「Dreamer」の意)は、脚の骨折によって未来を絶たれてしまう。

 馬主に見捨てられたソーニャを給料の代わりに引き取るベンだが、自分自身もソーニャもレースの第一線に戻らせる気力はない。そんなベンの幼い娘・ケイル(ファニング)が健気な想いと好奇心で自分なりの調教を始め、ベンとソーニャの諦めかけた魂に命を吹き込み始める。目標はブリーダーズ・カップへの出場。果たして夢はかなうのか?

 本作のテーマは、家族と再生。家族を顧みない名調教師であった父と息子、ぎこちない関係の父と娘、共働きの妻と夫、そして密かに結びついている祖父と孫娘といった、どこの家族の中にも存在するさまざまな関係性が丁寧に描かれています。誰の人生にも加齢、引退、突然の挫折は訪れるもの。自分や身近な人にそれが降りかかってきた時、どのように対応できるか。一線から外れた人を社会からはじき出すのではなく、それまでの功労に感謝の気持ちを忘れずに、恩返しをすることがどれほど大切なことか思い出させてくれるのです。

演技派揃いのキャスティング風景の暖かさも見所

 監督は『コーチ・カーター』のジョン・ゲイティン。本作でも実話を基に繊細なヒューマンドラマを描きあげています。主役の父親役を演ずるのはカート・ラッセル。『バックドラフト』『スカイ・ハイ』など、演技に引き出しの多い実力派俳優ですが、今回は内に強い意志を秘めながらも無口で頑固な父親を渋くまとめています。

 娘役を演ずるダコタ・ファニングは大物俳優の娘役を演じさせたら右に出る者はいない「ハリウッドの名娘役」。ショーン・ペンとの『アイ・アム・サム』、デンゼル・ワシントンとの『マン・オン・ファイヤー』、ロバート・デ・ニーロとの『ハイド・アンド・シーク』、トム・クルーズとの『宇宙戦争』など、堂々たる共演を経て、おませながら傷ついたり喜んだりする、細やかな子供の感受性をうまく表現しています。

 ケンタッキーとルイジアナで撮影されたという大自然の風景の暖かさも見所。オープニングとエンディングを飾るレースシーンの迫力も抜群で、千葉の中山競馬場の近くで育った私でも、こんなに手に汗握ったことなかったなぁと思ってしまうほど。あらゆる層への大切なメッセージが込められている本作、小さなお子様からおじいちゃん&おばあちゃんまで、家族み〜んなで観てほしい1本です。