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ライトハウス編集部
ライトハウス編集部

Death at a Funeral

オズの魔法がかけられた
英国版「お葬式」コメディー

ジャンル:コメディー

オススメ度:★★★★

Rating : R
◎主演 | マシュー・マクファディン、ピーター・ディンクレイジ
    ユエン・ブエムナー、他
◎監督 | フランク・オズ

©2007 MGM Distribution Company

(2007年7月1日号掲載)

ジャンル: 父のお葬式の朝。一家のメンバーは、それぞれの心配事を抱えながら、会場となる実家へと集まってくる。著名な小説家であるプレイボーイの兄・ロバート(ルパート・グレイヴス)との対面に気が乗らない、スローな次男のダニエル(マクファディン)。頼りないフィアンセのサイモン(アラン・テュディック)を、厳しい父親に紹介しようと力む、従姉のマーサ(デイジー・ドノヴァン)。そのサイモンに、風邪薬と間違えて、ドラッグを飲ませてしまうマーサの弟。父の死から立ち直れずに、すぐに泣き崩れる母。極めつけは、父の恋人だったと名乗る謎の男性ゲスト(ディンクレイジ)。え…?父がゲイだった? 悲しみの儀式を普通に終わらせたいのに、次から次へと襲いかかる珍事件。果たして、亡き父は安眠することができるのか?

 『Little Miss Sunshine』のメンバーたちのように、ちょっぴりアブノーマルな家族が、伊丹十三監督の『お葬式』のように、真面目に「悲しみの舞台」を演出しようとする姿。題名を聞いて連想する、不気味なホラーか薄暗いサスペンスとは裏腹に、正真正銘のコメディーである本作は、相当いい味を出しています。オープニングのアートワークで、クスクス笑いを誘い、冒頭のシーンでは、お葬式用に運ばれてきたお棺の中身が人違い、というジョークを飛ばす。「お葬式」を喜劇に変えて、90分間、笑わせまくってしまうセンスは、天才監督だからこそ、なせる業。

希有なマペット使いが贈る
スタイリッシュな1本

 フランク・オズ。そう、このおじいちゃん、ただの映画監督ではありません。世界中の子供たちを虜にする『セサミストリート』の人気者である、クッキーモンスターやグローバー、バート。オプラ・ウィンフリーやラリー・キングも目じゃない、米国のテレビ史上最もセクシーで毒気のある番組ホストである、雌ブタキャラクターのミス・ピギー。そして米国映画界のカリスマである『スターウォーズ』シリーズのヨーダ。これらはすべて、オズが自ら、マペッティア(マリオネットとパペットを足した造語である「マペット」を操る人の意)として、命を吹き込んできたキャラクターたちなのです。

 「人形が動きながら言葉を話し、実際の人間と共演する」という点で、テレビ界の常識を変えた『セサミストリート』。その生みの親である(今は亡き)ジム・ヘンソンが、最も信頼を置くクリエイターとして、数々の功績を残してきたオズ。だからこそ、下品なジョークも、残酷なカットも、差別とも取れる言動も、どこかスタイリッシュにまとまってしまうのです。

 なんだか、監督絶賛のようになってしまいましたが、個性派俳優たちのコンビネーションも抜群。オズの魔法がかけられた英国コメディーが、愉快な気分を約束してくれます。