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ライトハウス編集部
ライトハウス編集部

The Bourne Ultimatum

謎めいたジェイソン・ボーン
裏で操るはマット・デイモン

ジャンル:アクション

オススメ度:★★★★★

Rating : PG-13
◎主演 | マット・デイモン、ジョアン・アレン、ジュリア・スタイルズ、他
◎監督 | ポール・グリーングラス

©2007 Universal Pictures

(2007年8月16日号掲載)

ジャンル: 腕利きの暗殺者ジェイソン・ボーン(デイモン)。過去の記憶と愛する女性を失った今、生きる目的は、ただ1つ。「自分を暗殺者に仕立て上げたのは誰なのか?」「自分は一体何者なのか?」を突き止めること。

 目に見えぬ強大な勢力に命を狙われながら、モスクワからパリ、ロンドン、NYと、黒幕を探し続けるボーン。「自分ではない自分」を生み出した、すべての始まりは、意外なところにあった・・・。

 「感情が噴き出したような演技をすることは、誰にでもできるけれど、淡々と演じることによって、押し殺した感情を見せることに価値がある」というマット・デイモンの発言。『The Departed』でダブル主演ながら、一方的に注目を浴びたディカプリオを意識した発言?

 『Good Will Hunting』で、アカデミー脚本賞を共に受賞した長年の親友、ベン・アフレックは、キャリアの面では、ちょっぴりつまずいた感があるものの、ジェニファー・ロペスとの熱愛&破局、ジェニファー・ガーナーとのハッピー家族ぶりなど、華やかな噂にいつも注目が集まる。

 オーシャンズ一家で仲良く慈善活動をしても、兄貴・ジョージ・クルーニーや同僚・ブラッド・ピットばかりが大きく取り上げられる。

 ロバート・デ・ニーロ監督の『The Good Shepard』で主役を張っても、「親友(ブラピ)の彼女(共演のアンジェリーナ・ジョリー)と夫婦を演じる気分は、どうだった?」なんて質問ばかり・・・。

俳優デイモンの演出に
まんまと引っかかる!?

 今、ハリウッドで話題になっている出来事や作品、スターたちの横には、必ずマット・デイモンがいるのに、これほど陽の当たらないスターも珍しいと、いつも不満に思っていた私。でも、彼にとってセレブという肩書きや、スポットライトは、何の意味も持たないのでしょう。正真正銘の職業俳優であり、地に足がついた女性を妻に選び、家族を大切にし、自分の思想をしっかり伝えることができる、真の社会人なのです。

 『The Talented Mr. Ripley』(1999)では、ジュード・ロウ演ずるプレイボーイに、家族や恋人、お金まで、すべてを奪われ、人格を変えて、冷たい復讐を企てる地味な青年役を怪演。

 彼の演じる役柄に共通するのは、いつも何か、とてつもない力やショックによって、感情を失い、本当の自分を消し、誰か別の人格に成り代わるということ。だから、アクションでも、スパイものでも、ラブストーリーでも、いつも哀愁が漂います。

 『The Bourne Identity』『The Bourne Supremacy』、そして本作と、ただでさえ、最高に面白いボーン・シリーズ。俳優デイモンの状況を意識すると、ジェイソン・ボーンが、さらに魅力的な人間に見えてくるんです。って、この時点で、「マット・デイモン」という俳優の演出に、まんまと引っかかっているのかもしれないですね。