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ライトハウス編集部
ライトハウス編集部

The 11th Hour

地球に生きる私たちは
所有者ではなく一市民

ジャンル:ドキュメンタリー

オススメ度:★★★

Rating : PG
◎主演 | レオナルド・ディカプリオ、ミハイル・ゴルバチョフ
    ポール・ホーケン
◎監督 | レイラ・コナーズ、ピーターソン、ナディア・コナーズ

©2007 Warner Independent

(2007年9月1日号掲載)

ジャンル: 干ばつ、凶作、津波、ハリケーンに酸性雨、記録的な暑さ。世界各地で起きている災害が証明する「地球の何かが壊れ始めている」。技術革新をし、生活水準を向上させ、便利さと効率を追求し続ける私たち。大量の人類が大量のエネルギーを高速で使いまくる今、エコシステムが悲鳴をあげている。

 本作は、人類が地球に及ぼす影響を直視し、地球の生態系を守るための解決策を提案するドキュメンタリー。元ソ連大統領で、GCI(グリーン・クロス・インターナショナル)の創設会長であるゴルバチョフ氏や、環境を守るデザイン設計者ウィリアム・マクドナー氏を始め、約50人の専門家の声を集め、環境保護へのアクションを呼びかける。

 製作・脚本・ナレーションを担当するディカプリオは、「レッドカーペットにハイブリット車で登場」を、初期に体現したセレブ。1998年にはディカプリオ基金を創設、自身のウェブサイト(www.LeonardoDiCaprio.org)では、地球各地で起きた災害への募金活動などを呼びかけている。今では国家資源防衛審議会やグローバルグリーンUSAの理事を務めながら、「Tree People」などの非営利組織をサポート。その一貫したビジョンは、環境政策のシフトと地球温暖化への認知促進、大気汚染の少ないエネルギー源への転換などのキャンペーンに向けられている。

できる範囲で環境を守る
努力をするしかない

 本作以前にも、環境をテーマにした2つの短編 『Global Warning』(2003)と『Water Planet』(2005)でナレーションを担当したディカプリオ。「僕は環境問題の専門家でもないが、『映画』という自分にできる手段を使って、人々の関心を集めたかった。これが僕らの世代にできることだと思うんだ」。

 今年のカンヌ映画祭で行われたインタビューでは、「大気汚染の激しい飛行機で飛んできたのか」と、意地悪な質問をするジャーナリストに、「乗らなければいけない時には乗るよ。そんな質問をありがとう。汚染ゼロの社会を作ろうというのは無理だけど、誰もができる範囲で環境を守る努力をするしかない。環境を守ろうとしている人を叩いて、足を引っ張るのは的違いじゃないかな」と一蹴。

 監督コンビも語る。「人類はいつからかフルタイムの消費者になってしまったが、昔のように地球の市民に戻らなければ」と、ナディア。一方のレイラは、「根本的な問題は、人々の考え方と振る舞いにあり、それこそが唯一変えられること」。

 本作のプレミアとほぼ同時期に急上昇したLA周辺の気温。太平洋の向こう側では、外に出ることもできないほどの異常気象をサバイブしている日本の友人たち。もうどうしたって、私たちが子供の頃と何も変わっていないとは思えない。気持ちいい休日にビーチに繰り出したなら、砂に身体を横たえて、地球の声を感じてみるのもいいかもしれない。