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三角関係&エイジングに悩む
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宗教、政治紛争が激化する16世紀後半のヨーロッパ。エリザベス女王(ブランシェット)が統治する英国は、スペイン王フィリップ2世(ジョルディ・モリャ)の強大なパワーにより、国民の信仰や思想までも支配されようとしていた。戦争に挑む大国の女王としての使命と、寵臣ウォルター卿(オーウェン)を愛する一人の女性としてのバランスに悩むエリザベスの心の内は…。
同じくカブール監督&ブランシェット主演で大ヒットを飛ばした前作『Elizabeth』から9年。当時、体当たりの演技で鮮烈な印象を残したブランシェットは、アカデミー主演女優賞にノミネート。その後は、マーティン・スコセッシ監督の『The Aviator』でキャサリン・ヘップバーン役を演じて助演女優賞を受賞、昨年は、『Notes on a Scandal』で年下の男子生徒と情事に溺れる女性教師役を熱演し、助演女優賞にノミネートを果たしている。 この9年間、名だたる監督のもとで、ビッグな俳優たちと共演し、世界が認めるトップ女優となった彼女は、「このタイミングだからこそ、もう1度、エリザベスに戻ってみたかった」そう。鮮やかなピンクのブラウスとタイトな黒のミニスカートで舞台挨拶に登場したブランシェットの凛とした雰囲気に会場はため息。単なる美人女優ではないオーラに溢れ、自分の思想をしっかり語る姿は、スクリーンでの演技力に映し出されている。 個性溢れるキャラクターへの七変化はお見事だが、役柄に入り込むために、どんな準備をしているのだろうか? 「そういう質問をよく受けるから、夫にも聞いてみたのだけど、よくわからないの。意識しないのがいいみたい」とは、真の女優の言葉そのもの。 女王陛下を 一人の女性として描く 一方で、映画自体は、前作に比べると迫力、スケール、深みともに、見劣り感が拭えない。ソフィア・コッポラ監督がマリー・アントワネットを歴史的人物としてではなく、一人の女の子として描いたように、伝説のエリザベス女王を男性に甘えることができず、三角関係に悩む一人の女性として描いた本作。豪華コスチューム&国家戦争スペクタクルと、エリザベスのプライベートな心境とのギャップを描くのが目的なのはわかるのだけれど、そのギャップの面白さや味を伝えるには、100分という時間は短すぎ。 ブランシェットが本作出演を決定した理由として挙げる、「年老いるプロセスに興味がある」という言葉をすれば、ヘレン・ミレンの『The Queen』のように、彼女の心の葛藤だけにフォーカスし、ことごとく掘り下げてほしかった。 前作では、イギリス黄金時代の主役として、本作では生涯バージンを貫いた女性として、エリザベスを違う角度からとらえてきたカブール監督には、第3作目の構想も見えているよう。次回はどんなエリザベスに会えるのか、年輪を重ねる女優ブランシェットと共に、楽しみにしたい。 【 文:Yuki Machida】 |
【文:Yuki Machida】
宗教、政治紛争が激化する16世紀後半のヨーロッパ。エリザベス女王(ブランシェット)が統治する英国は、スペイン王フィリップ2世(ジョルディ・モリャ)の強大なパワーにより、国民の信仰や思想までも支配されようとしていた。戦争に挑む大国の女王としての使命と、寵臣ウォルター卿(オーウェン)を愛する一人の女性としてのバランスに悩むエリザベスの心の内は…。


