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ライトハウス編集部
ライトハウス編集部

American Gangster

夢の共演が実現した
久々のギャング映画

ジャンル:スリラー

オススメ度:★★★★

Rating : R
◎主演 | デンゼル・ワシントン、ラッセル・クロウ
    ジョシュ・ブローリン、他
◎監督 | リドリー・スコット

©2007 Universal Pictures

(2007年11月16日号掲載)

ジャンル: 1970年代にハーレムから登場した伝説のカルトヒーロー、フランク・ルーカス(ワシントン)。誰の注目を浴びることもない無口な運転手であった彼は、ハーレムの暗黒界を取り仕切るドンが急死した瞬間から頭角を現し始める。

 抜け目ない厳格なビジネススタイルを貫くルーカスは、瞬く間に地下組織の麻薬売買を仕切り、自分の帝国を築くと同時に、コミュニティーの中でカリスマ性を発揮する。

 一方で、はみだし刑事のリッチー・ロバーツ(クロウ)は、麻薬売買の暗黒社会でパワーバランスに変化が生じ、1人の男がマフィア一族のトップに君臨していることを敏感に嗅ぎ取っていた。

 法を犯す者と守る者。アメリカ法社会の向こうとこちらで、自分の倫理感を信じて突き進むルーカスとロバーツは、やがて共に影の堕落勢力の存在を暴き出していく。

久々に心躍る
ギャング&ドラマの良作


 「アメリカン・ギャングスター」というコテコテのタイトルになぜか惹かれるのは、気づけばギャング映画が久々のお目見えだから? 1930年代に遡るギャング映画の歴史は、『Little Caesar』や『Scarface』などアル・カポネをモデルとした白黒映画から始まり、マーロン・ブランド主演の『On the Waterfront』(1954)などの社会派ドラマ、ウォーレン・ベイティ主演の『Bonnie and Clyde』(1967)などのセクシーアクション、マフィア映画の最高峰『The Godfather』シリーズ、ロバート・デ・ニーロやアル・パチーノ系の『Goodfellas』(1990)、『Casino』(1995)と続いてきたけれど、最近では、いまいち売れないジャンルに分類されている。

 そこで、この2人の登場。ハリウッドで最も洗練されたスマートさを持つワシントンに、オーストラリア出身の荒くれ者のクロウ。2人に共通するのは、絶対的な男らしさと溢れんばかりのセクシーさだ。実在したギャング界を描くのに、これほどハマリ役のコンビはないだろう。普通なら、ワシントンが国の正義を守る側で、クロウが法を犯す側に配置されてシックリきそうなところ。今回は、実在のルーカスがアフリカ系アメリカ人だったために、ワシントンがマフィアの顔となっているところが新鮮でドキドキする。

 『Gradiator』や『A Good Year』でクロウの魅力を知り尽くしているリドリー・スコット監督が、男たちの魅力を最大限に引き出す盛り上げシーンを散りばめ、脇を固めるキウェテル・イジョフォー(『Amistad』『Dirty Pretty Thing』)やブローリン(『Grindhouse』)らもいい味を出す。ギャング映画にお決まりの短調なサントラもどこか懐かしく、人種問題を映し出したドラマ性も効いている。映画豊作シーズンの幕開けにふさわしい、久々に心躍るギャング&ドラマは、女性にとってもうれしい目の保養♪2時間半の超長編なので覚悟して。