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今週のオススメシネマ

ライトハウス編集部
ライトハウス編集部

Run, Fat Boy, Run

同じように全速力なら
逃げ出すのではなく前に、前に!

ジャンル:コメディー

オススメ度:★★★★

Rating : PG-13
◎主演 | サイモン・ペッグ、ハンク・アザリア、
    サンディ・ニュートン、他
◎監督 | デビッド・シュワイマー

©2008 Picturehouse

(2008年3月1日号掲載)

ジャンル: 何でもすぐに諦めて、「責任」や「コミットメント」という言葉が見えると途端にテンパってしまうデニス(ペッグ)は、結婚式の当日に、妊娠中のフィアンセであるリビー(ニュートン)を置いて、全速力で逃げ出してしまう。

 数年後、歳を重ね、それなりに落ち着いてきた頃、自分が重大なミスをしでかしたことを身に染みて感じ、大切なリビーを取り戻したいと思うデニス。が、リビーには既にやり手のビジネスマンであるリッチな恋人ウィット(アザリア)がいた。

 愛するリビーと唯一自分を慕ってくれる一人息子に、身をもって自分の気持ちを証明することを決意したデニスは、今までの自分には縁のなかった「マラソン」に挑戦することに。何からも逃げ出し続けてきたけれど、大切なものをゲットするために、生まれて初めて前へ、前へと走ることに決めたのだ。

 個性的な友人たちに鞭を打たれながらダイエットとトレーニングを重ねるデニス。いよいよ本番を迎えると、ベテランランナーでもあるウィットの仕業であえなく大転倒…。やっぱり今回もダメなのか? それとも生まれて初めて困難を可能にすることができるのか? 誰もがデニスのゴールインを願っていた。

明るく朗らかな気分で
映画館を出られる作品

 監督は、人気テレビドラマ『フレンズ』の大学教授ロス役で有名なシュワイマー。元々俳優だけでなく、監督や劇作家でもあった彼は、『フレンズ』や『ジョーイ』で演出も手がけ、その才能を発揮してきた。本作は1998年の『Since You've Been Gone』に続く2本目の監督作となり、さらに洗練されたセンスを披露してくれている。

 「逃げない」「諦めない」「やり遂げる」「責任を持つ」「約束を守る」「自分の弱さと向き合う」といった本作のメッセージは、小学校の道徳の時間に見るビデオのように、とてもベーシックで当たり前の教訓ばかり。だからこそチープに思えてしまいそうなところだが、すべての登場人物のキャラクターがしっかり練られていて、明確に役割をこなす姿は、すがすがしいほど。

 また、登場人物のファションから周りの建物、景色まで、すべてがカラーコーディネートされていて、視覚的にもポップ&キュートで楽しい。何より、当たり前の教訓をストレートに伝える映画が少ない今、こういう単純明快な作品の方が浸透力を持っているのかもしれない。

 英国産コメディーには独特の味とユーモア、センスがある。去年、興行収入はそれほど振るわなかったものの、抜群に笑わせてくれたフランク・オズ監督の『Death at the Funeral』との共通点も感じる。

 笑いのツボは人それぞれだが、過激なアクションや小難しい言い回しなどを抜きにした、ストレートなかわいらしいギャグが好きな方にはオススメ。100%明るく朗らかな気分で映画館を出られる、今どきレアな1本。