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ライトハウス編集部
ライトハウス編集部

The Other Boleyn Girl

エリザベス1世誕生の裏で
運命を分けたブーリン家の姉妹

ジャンル:ドラマ

オススメ度:★★★

Rating : PG-13
◎主演 | ナタリー・ポートマン、エリック・バナ、
    スカーレット・ヨハンソン、他
◎監督 | ジャスティン・チャドウィック

©2008 Sony Pictures Digital Inc.

(2008年3月16日号掲載)

ジャンル: 映画を観る際に、事前に大体のストーリーや設定がわかっていて足を運ぶ場合と、まったく何の知識もなしに、宣伝素材のイメージや作品のタイトル、出演者の顔ぶれだけに導かれる場合と2通りある。私にとって、本作の場合は後者だった。

 中東系のエキゾチックな美女ポートマンに、典型的なブロンド&青い目のアメリカン女優ヨハンソンが姉妹を演じると聞けば、観ないわけにはいかないでしょう、と。その反面、この豪華共演を実現させたいがためにストーリーを後付けしただけの、あまり深みのないミーハー映画なんだろうな、と内容にはあまり期待していなかった。

 終わってみれば、(脚色は多々あるだろうけれど)歴史上の事実に基づいたお話で、今をときめく英国エリザベス女王の何代上かのおばあさまが誕生するに至った秘話。世界史通の人であれば「ブーリン」というタイトルを見てピンと来るのだろうけれど、すっかりミーハーモードのみになっていた私は、2時間の美女対決を堪能した後、エンドロール間近のテロップで、その事実を知り、愕然としたのだった。

女の戦い、思惑、駆け引きが
壮絶な結末へと誘う

 「よき女王」として知られるエリザベス1世の生みの親、アン・ブーリン(ポートマン)。歴史上有名な彼女の陰で、エリザベス誕生のドラマに重要な足跡を残したのが「ブーリン家のもう1人の娘」である妹のメアリー(ヨハンソン)だった。つまり、タイトル上のヒロイン役はヨハンソンということになる。

 ストーリーは、英国王ヘンリー8世(バナ)のご機嫌をうかがうことにより、一家の地位と名誉を高めることに貪欲な父と叔父によって、その運命を乱されるブーリン家の姉妹アンとメアリーの姿を描いていく。平凡な生活から一転して、一家で王室に身を移すと、初めにヘンリー王の心を射止めたのは妹メアリーだった。そんな純粋に王を愛するメアリーの心を踏みにじりながら、妹のみならず、罪のない王妃キャサリン(アナ・トーレント)をも裏切り、怖いもの知らずの巧妙な手段で王の気を引き、王妃の座を奪おうとするアン。

 この女同士の熾烈な戦いに、相手が誰であれ世継ぎとなる男児を産ませたい王と取り巻きたちの思惑、ヘンリー王とアンの駆け引きがからみ合い、壮絶な結末に誘っていく。反逆、姦通、近親相姦、魔術の罪で処刑されることになるアンと、エリザベスの育ての親となるメアリー。ブーリン家の姉妹の運命を分けたものは一体何か?

 ブーリン一家については、明確な資料が残っていないこともあり、本作のストーリーと歴史上の事実がどれほどオーバーラップしているのかはわからない。でも結局のところ、歴史的背景を知っていたとしても、スクリーンを通して目に飛び込んでくるのは、圧倒的に美しくて魅力的なポートマンとヨハンソン、そして、王室でも庶民の世界でも変わらぬ、男女の恋愛劇にほかならない。