遊ぶ
Leisure

今週のオススメシネマ

ライトハウス編集部
ライトハウス編集部

10,000 B.C.

アドベンチャー好きなら比べてしまう
『アポカリプト』vs. 『紀元前1万年』

ジャンル:アクション

オススメ度:★★★

Rating : PG-13
◎主演 | スティーヴン・ストレイト、カミーラ・ベル
    クリフ・カーティス、他
◎監督 | ローランド・エメリッヒ

©2008 Warner Bros. Entertainment Inc.

(2008年4月1日号掲載)

ジャンル: 基本的に、この手の映画は、とにかく大好き。小さい頃、何十回と繰り返し読んだ冒険小説『少年ケニヤ』のように、原始人的な少年や男の人が野獣や自然と共存し、部族同士の結束を固く築きながら、命をかけて愛する家族を守る。決して裕福な生活ではないけれど、平和に笑顔で生きているところへ、必ず現れる「汚い敵」。

 それは、危険な野獣や厳しい自然ではなく、人や動物の命を何とも思わず、自分の欲望だけに溺れる醜い人間の姿。愛する仲間や家族、そして自然を守るため、沸々と湧き上がる正義感と情熱は、誰にも止めることができない。そして、正義は必ず勝つ−。

 そんなお好み要素がたっぷり揃った本作だが、観終わった後は意外にも「三ツ星」気分だった。テーマ&ストーリー展開がほとんど一緒なので、終始、一昨年末に公開されたメル・ギブソン監督の『Apocalypto』と比べてしまうのだが、あちらが心の底から「五ツ星」だったので、比べて残念な部分ばかりが目立ってしまった。

 決定的な違いは、なぜか感情移入できない、という点。『Apocalypto』では、主人公と完全に一体化し、彼が森林の中を駆け抜けていくシーンでは、自分の身体に枝がチクチクささる感覚まで味わってしまった私。愛する家族を守りたい気持ちも痛いほどにわかって、心の底から生還を祈って…、観終わった後は、ぐったり疲れていた記憶がある。

 その反面、本作では、どこかで客観的に観ている自分がいるし、映画館の中では、真剣な場面なのに、ちょっぴり滑稽でクスクス笑いをしている観客がいる。それはルール違反かなと思ったけれど、それだけ皆が現実からスクリーンの中へと入っていけていない証拠だろう。