暮らす
LIFE

アメリカ生活大事典

現地情報誌「ライトハウス」が提供するアメリカ生活大事典。アメリカへの移住や、現地生活に必要な自動車の購入・運転、出産・育児・子育て、教育・就職、住まい・住居、引っ越し、安全・安心な暮らし方などを徹底解説。

ライトハウス編集部
ライトハウス編集部

少年から始まった善意の輪

もしも今あなたが落とし主不明の20 ドルを拾ったらどうしますか?ちょっと豪華なランチに充てる?募金する?悩ましいところですが、2014 年3月28 日にCBS は、20 ドル札を拾ったある少年が巻き起こした小さな社会現象を取り上げました。
 それは2月のあるお昼時のこと。オハイオ州に住む8歳のマイルズ・エッカート君は家族と共にレストランへ行きました。幸運なことにマイルズ君は駐車場で20 ドル札を発見。密かにビデオゲームを買おうと考えていた彼ですが、同じ店に入ってきた、陸軍の制服を着た男性を目にするやいなや、別の使い道を思い付きました。
 マイルズ君は、メッセージを書いた紙に拾った20 ドル札を挟み、その軍服の男性に手渡しました。手紙には「兵士さんへ、僕のお父さんも軍人だったけれど、今は天国にいます。さっき駐車場で拾ったこれ(20 ドル)を差し上げます。今日は、ラッキーデーですね!いつも僕たちのためにありがとう」と書き記されていました。実は、マイルズ君が生後5週間の時に、彼の父親はイラクで戦死していました。マイルズ君は、レストランに来たフランク・デイレイ中佐に父の姿を重ね、彼にお金を渡したのです。

自分と同じ境遇の子どもたちを応援したい

 この出来事が3月初旬にメディアで報道されて以来、全米中から続々と20 ドル札がマイルズ君の下に届きました。ここでもマイルズ君は、そのお金を自分のために使わず、戦争で親を亡くした子どもたちを支援する団体に全額を寄付することにしました。このニュースも瞬く間に広まり、団体にはさらに多くの寄付金が寄せられ、5月末時点で840 万ドル以上に達しています。
 大切な人を失ったからこそ、その痛みが分かる少年がつなげた善意のバトンに、天国の父親も息子を誇りに思っていることでしょう。


(2014年6月16日号)