エンターテイメント

映画の穴

豪快さと繊細さを持ち合わせるオージー俳優

Hugh Jackman

「僕にとっての贅沢は食事とワインだね。他人が異常だと思うほどの金を使っても平気だ」

 オーストラリア生まれのタフガイというイメージで、すっかりハリウッドの「顔」の1人となっているが、『X-Men』でハリウッドデビューを果たしてからまだ6年しか経っていないと聞いて、改めて「へー、そうだっけ?」という感じだ。でも中身はそれほどハリウッドに溶け込んではいないらしい。
 
 「ロサンゼルスは仕事もしやすい場所だし、子供を育てるのにも良いところだ。でも僕は長い間は住めないね」。10年前に共演した女優と結婚し、2児を養子にしている。
 
 「家族が僕の1番の誇りだよ。僕が仕事をする時にはいつも一緒に来る。でももうすぐ息子が6歳になるから、1カ所に留まって学校の友達の近くにいたほうがいいんだろうか? 仕事をしている間、4、5カ月も息子と離れるなんて、考えられないよ」。
 
 タフガイなのは見かけだけで、本当は子煩悩でサービス精神旺盛。人が良くて、見栄っ張りなところがまったくない性格のようだ。
 
 「友達に言われるのは、『君はまったく車とか洋服とかに関心がないのに、すべて手に入れることができる。自分はそういったもの全部にとても関心があるのに不公平だ。全部よこせ』ってね。僕は物に執着がないんだよ」。とは言え、その分、食べることにかけては惜しまないらしい。

 「僕にとっての贅沢は食事とワインだね。友達を連れてレストランに行って、他人が異常だと思うほどの金を使っても平気だ。モントリオールのフレンチレストランに行って、夜の7時から朝4時までテーブルに座っていたことがある。ワイン好きの友人が5人集まって、ボトルを見ただけで泣き出してしまうような代物を開けたんだ。支払いをした時は酔っぱらっていてよく覚えてないけど、ボトルの中には1本3千ドル近いのもあったよ。でもみんなが一生に1回だっていう顔でそのワインを見てたから、それだけ出す価値はある」。
 
 これだけ聞くと、好き嫌いがはっきりしている性格のようだが、優柔不断なところが自分の短所らしい。
 
 「僕は自他共に認める、ノーと言えない人間。この仕事には必ずしもいいこととは言えない。もっとうまくならないとね」。
 
 今年と来年で公開が予定されている出演作品がすでに10本もあるのは、ノーと言えない性格のせい?
 
 「そうじゃないよ。しばらくブロードウェイのミュージカルをやっていたか
ら、映画には出ていなかったんだ。でも今、ラッキーなことに、自分が一緒に仕事をしたいと思っていた監督たちと仕事をすることができている。ダーレン・アロノフスキーとかクリス・ノーランとかウッディ・アレンとかね。たとえノーと言うのが得意だったとしても言ってないだろうね」。
 
 最近、自身の製作会社を設立した。最新作のXメン・シリーズ3作『X-Men:
The Last Stand』はその会社での1作目にあたる。
 
 「パートナーのジョン・パレルモの あだ名はジョン・パレルノー。彼は、僕がやると言ったものを、端から『やらないそうです』と言って断っていくだ」。
 
 インタビュアーにもいつも面白い答を提供しようと気配りして、つまらない答えだと、「つまらなくてごめんね」と謝ってくれることさえある。きっと彼と一緒に食事にいくと、楽しくて時間が経つのがあっという間なんだろう。

【主なフィルモグラフィー】
『The Fountain』(2006)
『X-Men: The Last Stand』(2006)
『Van Helsing』(2004)
『X2』(2003)
『Kate & Leopold』(2001)
『Sordfish』(2001)
『X-Men』(2000)

[ 文:いしばし ともこ ]
X-Men:The Last Stand
監督:ブレット・ラトナー
出演:ヒュー・ジャックマン、パトリック・スチュアート、イアン・マッケレン、ハリー・ベリー、ファムケ・ヤンセン
5月26 日公開予定
©2006 20th Century Fox