エンターテイメント

映画の穴

つかみどころのない風のような、永遠の青年

Keanu Reeves

恋愛関係は想像的な行動。
条件つきの関係でも最良のものになり得る

 ファーストネームの「キアヌ」は、ハワイ語で「山を吹き抜ける風」という意味があるらしい。キアヌ・リーブスの個性は、まさに風のようにつかみどころのない、ミステリアスなところだ。「僕に言わせれば、僕の周りの俳優たちだって、みんなミステリアスだよ」と本人は言う。今年42歳になるが、特に童顔というわけでもないのに、なぜか未だに青年のような雰囲気を醸し出している。今回はひげを生やしての登場だが、それでも「中年」とはほど遠いのだ。

 『スピード』で世界的な大スターにのし上がったのが12年前。その時に共演したサンドラ・ブロックは数年後『スピード2』に出演したが、キアヌはパスしている。サンドラとはずっと仲良くしており、今年のアカデミー賞にも一緒に現れたことは記憶に新しい。インタビュー中もサンドラがたびたび顔を出し、キアヌの代わりに質問に答える場面があった。「(『スピード2』に出演しなかったことについて)あの時、キアヌは賢かったわね(笑)。周りにいい人たちがいて、『やらない方がいい。10ノットで進んでいて、ほとんど止まっているように見える船になんて乗らない方が良い』って言ってくれたのよね」。

今回、2人は再共演となる最新作『The Lake House』で、久々にラブストーリーに挑戦した。「この作品は典型的な恋愛ドラマで、そこに惹かれたんだ。台詞がとてもスウィートで好きだったし、男女がそれぞれ自分の人生を模索しているところも好きだ」。この『The Lake House』のストーリーでは手紙をやりとりするというクラシックな方法がテーマとなっているが、キアヌはいまだにコンピューターを持っていないとか。コンピューターが必要な時は友人に頼み、手紙を書く時は旧式の方法で書くらしい。

「そう。タイプライターで書くよ。その方が心がこもっている感じがするし、僕はある意味、詩的な文章を書くのが好きなんだ。だから時間を取って座って、フィジカルに向き合うというその感覚を楽しんでいる。タイプライターには電池もないし。これは愛の波長だよ」。恋愛については多くを語らない彼だが、そこにも独自の哲学があるようだ。
「年を取るにつれ、自分にとっても相手にとっても最良の状態を望むようになるよね。コミュニケーションとイマジネーションの関係だよ。恋愛関係は想像的な行動だ。子供との関係は無条件だと聞いたことがあるけど、大人同士の関係はある意味、条件がつきもの。でもその条件は最良のものになり得るよ」。

理想は大きく、少しでも映画を通して世界を良くしたいという使命感を抱えているという。
「街を歩いていると、人が声をかけてきてくれて、『君のThe Devil's Advo-cate瓩辰討いΡ撚茲藁匹ったよ。あれを観た後、妻と一緒にカウンセリングに行ったおかげで今でも結婚生活が続いてるよ』とか言ってくれるのは素晴らしい。僕のアートを通して世界をポジティブな方向に変えて行ければね。自分が人生においてやっていることとの引き換えだ。

それが僕の悔悛だよ」。ミステリアスなプライベートライフが明かされ、彼の幸せな恋愛関係が周囲を幸せにする未来もあるのだろうか。

【主なフィルモグラフィー】
『The Matrix Revolutions』(2003)
『The Matrix Reloaded』(2003)
『The Matrix』(1999)
『The Devil's Advocate』(1997)
『Speed』(1994)
『Point Break』(1991)
『River's Edge』(1986)

[ 文:いしばし ともこ ]
『The Lake House』
監督:アレハンドロ・アグレスティ
出演:キアヌ・リーブス、サンドラ・ブロック
PG・105分
公開日:公開中
©2006 Warner Bros.