エンターテイメント

映画の穴

私生活の充実で若返り⁉

Billy Bob Thornton

他人が苦しんでいるのを見ることが楽しい
というのが人間の本能。将来これを映画にするよ。

 最近、彼がめっきり若返ったという評判がある。確かに以前は下から覗き込むような不気味な笑顔が、異様なセックスアピールを醸し出していた気がする(笑)が、ここのところ、穏やかな表情が印象的である。

 「うちの母親でさえ電話してきて、僕が整形したんじゃないかって友達が聞くんだけど…って言うんだよ(笑)。そんなことは絶対にしないよ!って言ったよ。確かに自分でも最近若返ったように感じる。今、2歳になる娘がいるからかな」。

 今年51歳で、これまでに5回離婚。現在のガールフレンドとの間の娘を含めて4人の子供がいる。しかし、それほど彼の私生活がメディアに取り上げられているというわけではない。

 「僕はセレブリティータイプの俳優じゃない。ただの俳優だよ。タブロイドに取り上げられていたのはアンジー(アンジェリーナ・ジョリー)と一緒にいた頃だけだね。映画の公開前にはメディアに出るけど、僕にはそれがちょうどいいよ」。

 その元妻アンジェリーナはブラッド・ピットと一緒にいるようになって、さらにマスコミから追いかけられている。

 「彼女とは今でも友達だしブラッドとも仲が良いんだ。2人はあんなにメディアに追いかけられていて可哀相だと思うよ。アンジーは普段はうまく処理できている方だが、人間だから、ひどいことを書かれると傷つくこともある。僕もそれを個人的な侮辱と感じるよ」。

 彼自身はバンドミュージシャンとしてスタートし、映画の世界ではそもそも脚本家兼俳優として道を切り開いてきた。ロサンゼルスに来てからの最初の10年はずいぶん苦労したらしいが、脚本、監督、主演を務めた『Sling Blade』の成功でブレイクスルーした。

 「他人が苦しんでいるのを見ることが楽しいというのが人間の本能なんだ。だからメディアは人の不幸を取り上げる。そのことについて書いてある本があって、僕は将来この本を映画にするつもりだ。まだ題名は言えないがね」。

 彼の書く脚本には社会的弱者の辛さが多く取り上げられるが、新作のコメディー『School for Scoundrels』では逆に、気の弱い青年を利用して自分の欲しいものをすべて手に入れる男を演じている。

 「この作品は世相を風刺したコメディーというわけじゃないから、最近の男たちが皆、弱すぎると言うようなメッセージはないよ。でも、80年代には自分の内面を見直して改善しようというような本がたくさんあった。大抵はcornyで、すでに知ってるようなことしか書いてない。僕はそういう本はすすめられても絶対読まないよ」。

 どうやら、自分の信念は曲げないという頑固な面があるようだ。

 「最近、酒をやめたんだ。ビタミンを取って自然食を食べるようにもしている。麦と乳製品は一切食べない。でもタバコだけはどうしてもやめられない。誰かがタバコを消せと言うなら、そのチーズを僕の前からどけてくれ!って言うよ」。

 今でもバンド活動は続けていて、アルバムはそれなりに好調らしい。年に300ドルくらいしか儲からないという(笑)、独自の洋服ブランドも持っている。パパラッチから解放され、好きなことをやって生きていることが、彼の若返りの秘密かも知れない。

©RETNA

【主なフィルモグラフィー】
『Astronaut Farmer』 (2007)
『Bad News Bears』 (2003)
『Monster's Ball』 (2001)
『The Man Who Wasn't There』 (2001)
『A Simple Plan』 (1998)
『Armageddon』 (1998)
『Sling Blade』 (1996)
『One False More』 (1992)

[ 文:いしばし ともこ ]
School for Scoundrels
監督:トッド・フィリップス
出演:ビリー・ボブ・ソーントン
   ジョン・ヘッダー
   ジャシンダ・バレット
PG-13・100分
©2006 Weinstein Company