エンターテイメント

映画の穴

芯の強さと器用さで幸運を掴む

Renee Zellweger

歳をとっていくことは恐くないわ。
人間として成長しないことを恐れているの

 今にも泣き出しそうなあどけない顔が愛らしかった20代の頃と比べ、女優としての成功を手に入れるにつれ、凛とした精悍さを蓄えるようになってきたレネ・ゼルウィガー。どんな役柄も彼女なら演じきってしまうだろうと思わせる器用さは、タイプこそ違うものの、大女優メリル・ストリープを思わせる。

 「(撮影の時は)毎回恐いわ。だって、自分がコントロールできる種類のものではないと思うから。自分がやらなければいけないことが魔法のように描き出されるということを、信じて願うしかないの。どういう準備をしなければならないかもわかっているし、ベストを尽くすのだけど、『わかった!』と思うことは決してないから」。

 テキサス大学で演技を学び、卒業後も、他の若者のようにすぐにハリウッドに向かうことはなく、地元で活動してチャンスを見計らっていた。同年代のテキサス出身の俳優にサンドラ・ブロックやマシュー・マコノヒーらがいたのは、彼女の運の良さとも言えるかもしれない。仲間の俳優から聞いたプロジェクトに乗って、オーディションで役を勝ち得て少しずつステップを上がっていたところ、演技の評判がキャメロン・クロウ監督の耳に入る。そして『Jerry Maguire』でのトム・クルーズの恋人役で大ブレイク。強運の持ち主だが、それだけでなく、周囲とのコミュニケーションの必要性を深く理解していることが、彼女の運を支えているようだ。

 「撮影の現場ではお互いを信用することが大切なの。自分がやろうとしていることを信じて、セーフティーネットを張っていてくれる人たちが周囲にいると感じられなければ。だから、自分の出番でない時にも現場に残って、お互いが経験しているであろうことにフォーカスするの。iPodには気をとられないようにして、周囲とコミュニケートするのよ」。

 質問に対して丁寧に長々と答える様子からも、彼女が自分の考えをきちんと相手に伝えようとしているのだということがうかがえる。思慮深い彼女の人柄は、新作『Miss Potter』で演じた児童小説家ビアトリクス・ポッター像とも通じる。

 「自分と彼女が似ている部分があるかどうかはわからない。でも、彼女のことを知るにつれ、尊敬し、とても好きになっていったわ」。

 この役ではイギリス訛りの英語を話しているが、これまでにも体重を何十パーセントも増やしたり、逆にスマートに痩せてダンスを踊ったり、と容姿が大きく様変わりする役や、特別な技術を必要とする難しい役に積極的に取り組んでいる。

 「クリエイティブな経験でのリッチさにおいては、私はとてもスポイルされてるわ。とても、とても、とても幸運よ。(出演する作品を選ぶ時は)自分がその作品に何かを提供することができるか、そして自分自身がその作品から何かを学ぶことができるか、を考えるわ」。

 今後も確実に女優として華を咲かせていくであろう彼女は、ハリウッドでの生き方について、こう言う。

 「歳をとっていくことは恐くないわ。人間として成長しないことを恐れているの。自分自身を批判したり、自分が自分でなかったらよかったと考えたりはしたくない。だから、自分が何らかの方法で貢献できていると感じられるところまで成長できないことは嫌だわ」。

©2006 The Weinstein Company

【主なフィルモグラフィー】
【主な出演作品】
Cinderella Man(2005)
Cold Mountain(2003)
Chicago(2002)
Bridget Jones's Diary(2001)
One True Thing(1998)
Jerry Maguire(1996)


[ 文:いしばし ともこ ]
Miss Potter
監督:クリス・ヌーナン
出演: レネ・ゼルウィガー
   ユアン・マクレガー
   エミリー・ワトソン
   R・92 分 公開中
   ©2006 The Weinstein Company