エンターテイメント

映画の穴

潔いかっこ良さで歳を重ねる

Diane Keaton

私たちの世代だって
まだまだ恋愛することもできる

 先日61歳の誕生日を迎えたダイアン・キートン。ギトギトと若さにしがみつくことのない、潔さを醸し出していて、こういう風に歳をとりたいなあと思わせる魅力がある。

 ロマンチックコメディーの女王という印象があるが、彼女自身は1度も結婚歴はない。そして今は誰とも恋愛をしていないらしい。
 「自分にとって恋愛が必ずしも必要というわけではないの。私はあまりロマンチックな状態が得意じゃないから、男性にとって、私は一緒にいるのが楽なタイプではないかもね」。

 ウッディ・アレンやウォーレン・ビーティーなど才能に溢れる男性と恋愛していた過去がありながら、結婚しなかった彼女は、結婚観をこう語る。
 「結婚というのは、お互いを信頼し合って、苦しい時も楽しい時も共に人生を乗り越えて行くもの。でもまずはお互いの関係ありきで、私はそこまで先のことを考えられなかったの」。

 新作『Because I Said So』では、娘の結婚のことを心配するあまり、おせっかいを焼いてインターネットに広告を出すシングルマザーの役を演じている。
 「この役の面白いところは、私たちの世代の女性に、間違いを犯しながらもそこから学んで、生き生きとした人生を生きていく姿を見せてあげられること。私たちだって、フレッシュでエキサイティングでばかばかしくって楽しいって思われるべきよね。まだまだ恋愛することだってできるわ」。

 色々な可能性を考えながらフレキシブルに生きるのが特徴なのだろう。
 「子供の頃は、おばさんになるということは魔法使いになるようなものだと思ってた。でも実際におばさんになってみると、それほど悲しいことだとは思わないわ。人は、生きて行くうちに自分の哲学も変えていくものなのね」。

 映画の中では下着姿を披露するシーンもあるが、「まったく気にならなかったわ。私の好きな種類の下着よ。Thong? それはダメね」と笑う。この役のように娘はいないが、彼女は50代になってから2人の男の子を養子にしている。
 「父親が病気になって亡くなった時、家族というものについて考え直すきっかけになったの。家族としての責任や、愛情について。(家族を持つという)決断としては遅かったけれどね」。

 母親になってから、何事にも、より思慮深くなり、責任感を持つようになったと言う。
 でも驚いたことに、よく笑い、生き生きと楽しそうな彼女なのに、いつも自分に自信がないとか。
 「こんなに恵まれているのに、いつもどこかで自信がないの。わりとうまくやっていける時もあれば、ひどくぼろぼろにされる時もある。みんなに不思議がられるけれど、常に消えないわ」。

 そういったコンプレックスが、彼女を人間らしくしているところなのだろうか。
 まだまだこれから結婚もするかもしれないし、美容整形だって、「絶対やらないとは言い切れない」と言う。
 「若い頃、『結婚するまで性交渉はしない』って言ってたもの(笑)。だから、整形はしないで、自然なままでいたいと思っているけれど、『絶対』っていうのは絶対ないのよね」。
 先のことはわからない、という自由で大らかな人だ。

©2007 Universal Pictures

【主なフィルモグラフィー】
Family Stone(2005)
Something's Gotta Give(2003)
The First Wives Club(1996)
Father of the Bride(1991)
Reds(1981)
Manhattan(1979)
Annie Hall(1977)
The Godfather(1972)
Play It Again, Sam(1972)

[ 文:いしばし ともこ ]
Because I Said So
監督:マイケル・レーマン
出演:ダイアン・キートン
   マンディ・ムーア
   ガブリエル・マクト
PG-13 ・102分 公開中
©2007 Universal Pictures