エンターテイメント

映画の穴

隣のお兄さん像そのままに

Tobey Maguire

 環境のために自分に何ができるのかを
考えているし、それが大事だと思っている

 ハリウッドの業界人はよく、アクション映画の主役に、爐海譴らブレイクしそうな無名の若い俳優を起用する瓩箸いξ磴魑鵑欧觧、「トビー・マグワイアの様な」と言う。もっとも、スパイダーマン以前の彼は無名だったわけでも特に若かったというわけでもないのだが。

 1975年生まれの32歳。アメリカ人俳優としては小柄の5フィート8インチなので、5年前スパイダーマン役に抜擢された時も、実年齢より10歳は若く見えた。俳優というよりは、隣のお兄さんという雰囲気だった。それが今では大スター、しかもお父さんだ。

 「仕事でも家でも、そして家族の長としても、とても忙しくしているから、自分の考え方がどう変わったか考える暇もないよ。ただ、人生の構造がまったく変わってしまったことはわかる。何をするにもまず、家庭と娘とフィアンセ在りきなんだ」。
 若い頃はレオナルド・ディカプリオたちとつるんでパーティーに明け暮れていたようだ。

 ジュエリーデザイナーのジェニファー・メイヤー(余談だが、彼女がデザインした金のハート型ロケットペンダントは、『Spider-Man3』の中でキルスティンが身に付けている)とは約3年前から交際し、2人でレイカーズの試合を観戦している姿がよく目撃されていた。

 そして1年前、彼女と婚約し、 昨年11月には赤ちゃんが生まれ、ルビー・スウィートハートちゃんと名付けられている。彼の私生活が一変したことは容易に想像がつく。

 「赤ん坊と一緒の時間を過ごして、おむつを替えてあげるのが好きなんだ。新しいおむつを着けてあげる時にいつも、きつすぎないか心配になって、緩くしめる。でも緩すぎるとだめだから気をつけるんだけど、僕がやるとものすごく時間がかかるよ。ジェンがやるとあっという間なんだけどね」。
 とても親近感の湧く、身近な存在の俳優像そのものの素顔だ。そもそもスパイダーマンというヒーロー自体、普通の青年なのだから、やっぱりハマり役である。

 「僕はヒーローという概念自体を信じていない。英雄的な行動を取る、という意味ならわかるけどね。例えば勇気ある行動とか、社会に貢献したり慈善的な活動をしたりすることは尊敬するよ」。
 社会貢献といえば、彼自身は環境問題などに関心を持っているらしい。

 「特に目立って活動しているわけじゃないけど、(環境問題に)関心があるよ。リサイクルにも気を配っているし、車もハイブリッド・カーだ。環境のために自分に何ができるのかを考えているし、それが大事だと思っている。それに、世の中を変えようと声を大にしている指導者たちをとても尊敬しているんだ。アル・ゴアが映画を作る前に本人のプレゼンテーションに行ったんだけど、彼は映画で観るよりもっと素晴らしい人だったよ」。

 『Spider-Man3』のなかで、こんなシーンがある。街中で主人公ピーターが、スパイダーマン(ピーター自身)の活躍のニュースを見ていると、通りがかりの老人が、"One can make a difference."と声をかける、というものだ。
 スパイダーマンにならなくても、世の中を良くしていくことができるということを、彼自身が1番良くわかっているようだ。

©2007 Columbia Pictures

【主なフィルモグラフィー】
Tokyo Suckerpunch(2008 )
Quiet Type(2007)
Spider-Man 3(2007)
Spider-Man 2(2004 )
Seabiscuit(2003 )
Spider-Man (2002 )

[ 文:いしばし ともこ ]
Spider-Man 3
監督:サム・ライミ
出演:トビー・マグワイア
   キルスティン・ダンスト
   ジェームス・フランコ
   トーマス・ヘイデン・チャーチ
Rated:PG-13  
上映時間:140分 公開中
©2007 Columbia Pictures