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ゴルフ徒然草

ヒデ・スギヤマが、ゴルフに関する古今東西の話題を徒然なるままに書きまとめた、時にシリアスに、時にお笑い満載の、無責任かつ無秩序なゴルフエッセイ。

ヒデ・スギヤマ/平日はハリウッド映画業界を駆け回るビジネスマン、
週末はゴルフと執筆活動に励むゴルフライター。

ヒデ・スギヤマ

vol.16 ドライバー今昔物語

久し振りに納戸を整理していると、昔使っていたドライバーが何本か出てきました。
もっとも最初は、あまりにヘッドが小さいのでそれがドライバーであることに気付かず、
スプーンかバフィかと思いました。
その後さらにその奥からパーシモンのドライバーが出てきたときは、
もはや違うスポーツの道具かと思ったほどです。
今から20年ほど前までは、全てのゴルファーがパーシモンウッドを使っていたことが、
懐かしく感じられました。

その当時、テイラーメードが世に送り出した“メタルウッド”
(英語的には歴史上最も不思議な言葉?)に、
世界中のゴルファーは大騒ぎとなりました。
『あんなものはドライバーじゃない』と渋いおじさんゴルファー達は、嘲笑していました。
そしてマスターズでも、メタルを使うゴルファーは優勝できない、
というジンクスが話題になりました。
でもそれも数年後には、全てのゴルファーがメタルに変っていったのです。
そしてヘッドの大きさは徐々に膨張を繰り返し、
近頃はついに500ccという巨大ヘッドも登場しています。


さてそこで今回の本題。
実は私は、もしかしたらいつか出てくるのでは…と思っていたデザインがあったのです。
そしてついに本当に登場したのです!四角いドライバーが… 
余談ですが、元々ゴルフには“四角”に縁の無いスポーツでした。
野球はベース、サッカーはゴール、プロレスやボクシングはリング、バレーやテニスはネット… 
必ず四角があるのに、ゴルフボールは丸、グリーンも丸、カップも丸。
四角が無いのはゴルフと相撲だけだったのです。
さて以下はゴルフダイジェスト誌で紹介された記事からの抜粋です。

…四角いドライバー、続々登場の気配!発売各社の思惑を以下に探ってみる。
まずはナイキの“サスクワッチ・スモー・スクエアー”。
スモー(SUMO)はスーパー・モーメント・オブ・イナーシャ(超慣性モーメント)の頭文字を意味する。
そしてキャロウエイは、“FT-i”、
この商品の開発コード名はイナーシャ・モンスター(慣性の化け物!)である。…


ゴルフクラブ大手2社が、
ほぼ同時に同じコンセプトのクラブを世に送り出した背景には実はルール問題があったのです。
反発係数、長さ、ヘッド体積がルールで規制され、
残ったドライバー進化の狙い目は“慣性モーメント”(後述)を大きくするしかなかったからです。
「慣性モーメントは、重心からなるべく離れた場所にウェートを配分するほど大きくなる。
決まった体積で慣性モーメントを大きくしようとすれば、四角い形にならざるをえない」
(クラブ設計家・竹林隆光氏)という理論的根拠があったのです。

“FT-i”を試打した某プロは、
「絶対左に行かないし、曲がらない。スクェアなのでフェースも合わせやすい。
試合でも使ってみたい」と高い評価をコメントしています。
またこの2社以外も、製品化に向けて研究開発を進める企業が続々と登場しているそうです。
ゴルフ業界は、毎年2月にフロリダで開催されるPGAショーに焦点を合わせて、
新商品開発とマーケティングが進められます。
さあ、来年の目玉はこの“四角いドライバー”になるのでしょうか?

(注)慣性モーメント:“慣性モーメント”とは、物体の回転のしにくさを表す量である。
違う言い方をすれば回転運動の変化(回りだす、止まる)のしにくさを表し、
質量のモーメントとして表され、ボールの飛距離と方向性に影響を与える。


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