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ゴルフ徒然草

ヒデ・スギヤマが、ゴルフに関する古今東西の話題を徒然なるままに書きまとめた、時にシリアスに、時にお笑い満載の、無責任かつ無秩序なゴルフエッセイ。

ヒデ・スギヤマ/平日はハリウッド映画業界を駆け回るビジネスマン、
週末はゴルフと執筆活動に励むゴルフライター。

ヒデ・スギヤマ

vol. 19 リビエラ・カントリークラブ

今年もPGAが開幕しました。
毎年この時期は本当にワクワクしますね。
タイガーの調子はどうなのか、また彼の存在をおびやかす新たなスターゴルファーが登場するのか… 
特に2月前後は、我々の地元LAやこの近郊でトーナメントが数週間にわたり開催されるので、
テレビに映るゴルフ場も馴染みのところが多く、何かと親近感を覚えさせてくれる時期です。

そこで今回はちょっと趣向を変えまして、
PGAの開催コースでもある名門ゴルフクラブを紹介させて頂きましょう。
我々の地元LAではおそらく最も著名なコースではないでしょうか。
そう、ニッサンオープンの会場である“リビエラ・カントリークラブ”です。
ちょうどこの記事が出る頃は、同トーナメントの直前なので、
コースのことを色々と知ったうえで試合をご覧になれば、
また違う発見や新たな楽しさが見つかることでしょう。

リビエラCCは設立が1926年ですから、今年で81年目を迎える、
長い歴史と気高い伝統を持つクラブです。
1900年前後の米国はゴルフ場の建設ラッシュで、
その20〜30年だけでゴルフ場の数は一気に1000から5000以上に増えたそうです。
リビエラCCも開場当事は非常に話題になったらしく、
その時代としては破格の予算で建てられた南欧風のクラブハウスは、
時空を超えて今もその威厳を示しています。


PGA開場としての歴史を振り返ってみると、全米オープン1回、全米プロ2回、
全米シニア1回、そして1929年に始まったLAオープン(現:ニッサンオープン)は、
現在も毎年継続して多くのファンを魅了しています。
カントリークラブですので、当然ながらゴルフだけでなくテニスコートやバンケットルーム(マリナーズのイチロー選手はここで結婚式を挙げたそうです)も充実しており、
やはり土地柄からか、ロッカールームにはハリウッドスターの名前がずらりと並んでいるようです。

さて筆者は一度だけここでプレーした経験があります。
LAの商工会議所が主催するトーナメントで、憧れのリビエラに足を踏み入れた嬉しさから、
子供のようにはしゃいだ記憶があります。当時の記憶を呼び起こしながら、
名物ホールを覗いてみましょう。
まず設計は自然の地形を生かすデザインを得意とした、ジョージ・C・トーマス氏。
彼はLAの他の著名なコース、ロサンゼルスCC、ベルエアCCなども設計しています。


まず有名なのは4番のパー3。
236ヤードと距離が長く、1948年にここで開催された全米オープンを制したベン・ホーガンは、
「全米で最も偉大なパー3ホール」と絶賛したという記録が残っています。
また6番のパー3(175ヤード)は、珍しくグリーンの中央にバンカーがあります。
どこに乗せても大変なパットになりそうな名物ホールです。

10番は315ヤードという短いパー4。
見た目の雰囲気は易しそうですが、かなり手ごわいホールです。
あのジャック・ニクラスをして
「私が知っている短いパー4では、ここが最も素晴らしい」と言わせたホール。
最終の18番はすり鉢状の斜面になっており、
これまでも数多くのドラマを生み出した重みを感じさせるホールです。
2月という時期、そして日本からも比較的近い西海岸ということで、
多くの日本人プロがこれまでここのトーナメントに挑戦してきましたが、
まだ最終日の最終組にこの18番に笑顔で登場した選手はいません。
是非、近い将来にその日が来ることを期待しています。

さて、良いゴルフコースの資質とは何か? 
様々なご意見があり、私ごときが語れるような簡単なテーマではありませんが、
私はクラブハウスの雰囲気、コースデザインが示すゴルフへの考え方、
眺望を含む周りの環境、その3つに注目します。
その観点から見た場合、リビエラCCは全体に独特の空気感が漂う不思議なコースで、
蓄積された歴史の重みを無言で語ってくれる数少ないクラブでもあります。
是非今年も、テレビや現地観戦では熱戦を楽しみながら、
同時にLAの財産とも言えるこの美しいゴルフコースを存分に堪能して下さい。

(資料の一部を学研社“パーゴルフ”より転載) 

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