世界を魅了した老舗サーフブランド「ゴードン&スミス・サーフボード」

ライトハウス電子版アプリ、始めました

ライトハウス・サンディエゴ版編集長、吉田聡子が、サンディエゴ生まれのブランドを訪問。世界に羽ばたいた物から、ローカルにこだわる物まで、名品の背景にある物語を探ります。

GORDON & SMITH SURFBOARDS / ゴードン&スミス・サーフボード

エリックさん

創設者ラリー・ゴードンさんを継いだ息子、エリックさん(左)と。

サーフィンをしない人にはまったく興味のない話かもしれないが、ゴードン&スミス・サーフボードといえば、世界に誇れるサンディエゴ生まれのサーフボード・ブランドの一つである。その始まりは、1950年代。今も生産を続けているサーフボード・メーカーの中では「長い歴史がある」と言って差し支えない。
 
ゴードン&スミスを有名にしたのは、少なくともサンディエゴで初めて、ポリウレタン製のサーフボードを開発、生産したことにある。
 
「父はもともと化学科の学生で、僕の祖父はプラスチックに携わる会社を経営していた。だから、知識があったんだ」と創設者の一人であるラリー・ゴードンからビジネスを引き継いだ息子、エリックは言う。

ケイビーさん

シェイパーのケイビーさん

それまでのサーフィンは木製のボードが主流で、重く、波の上で操作しづらかった。軽く、自在に動くゴードン&スミスの革新的な新ボードが木製ボードを凌駕するのは当然のことだった。ちなみに、サーフボード作りには、その後いくつか新素材が登場しているが、ポリウレタン製ボードは今日も王道であり続けている。

グレンさん

シェイプされたサーフボードにガラス繊維の布を樹脂で巻き付けていくグラッシングという作業。グレンさんは何と1972年からこの仕事を続けているそう。

その後、60年、70年代になると、サーフィンの世界には、長いサーフボード「ロングボード」から、短い「ショートボード」へと移行する一大ムーブメントが起こる。当時のボードメーカーのいくつかが時代に乗り遅れて消えていく中で、ゴードン&スミスはむしろ生産を拡大し、世界に名を馳せる伝説的なメーカーとなった。この頃、スケートボードも手がけ始め、こちらでも爆発的にヒットを飛ばす。

詳細が書かれた注文票

詳細が書かれた注文票にそって、何工程も経て1本のボードが形になります。

「ビジネスをずっと成功させ続けられた秘訣は何だと思う?」とエリックに問うと「父に関して言えば、ビジネスとは思ってなかったと思う。趣味みたいに、ただ自分が楽しいからやっていたっていう感覚じゃないかな」と返ってきた。

サーファーたちによるセレモニー

ラリーさんが亡くなった後、サーファーたちによるセレモニーが、PBのターマリンサーフパークで行なわれました。

ラリーは2016年1月に他界。エリックと姉のデービーは3年前にゴードン&スミスに入り、古くからいるスタッフ、若き新しいスタッフと歴史を刻み続けている。
 
エリックは言う。「祖父の時代から、うちは家族でビジネスをしてきた。だから、父を継ぐのは僕らにとってすごく当然なこと。会社は、全盛期に比べたら、売上は絶好調とは言えないかもしれない。けど、とにかくやれることをやり続ける、そういう気持ちでいるよ」。

Gordon & Smith Surfboards

◎ Gordon & Smith Surfboards/ゴードン&スミス・サーフボード
5151 Santa Fe St. Suite A/B, San Diego
☎ 858-270-1140
▶ 営業時間:月曜日~金曜日 10am~5pm
▶ Webサイト:http://gordonandsmith.com
 
(ライトハウス・サンディエゴ版 2016年7月号掲載)
 
※このページは「ライトハウス・サンディエゴ版 2016年7月」号掲載の情報を基に作成しています。最新の情報と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。

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