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ビザに関する疑問に回答!アメリカ移民法Q&A

現地情報誌「ライトハウス」に連載中の米国移民法・ビザ申請の疑問に答える人気コラム。永住権・グリーンカードの申請から、就労(H1)ビザ申請、留学ビザ(Fビザ)、Jビザ申請、さらにはアメリカでの会社設立などについて、さまざまなケースを専門家が徹底解説。

ライトハウス編集部
ライトハウス編集部

親を日本から呼び寄せ、市民権を取らせることはできる?

瀧 恵之 弁護士

Q:アメリカ人と結婚し、永住権を取得しました。私の母は元韓国籍で、父(日本国籍)と婚姻後に日本に帰化。私が成人してから離婚し、父とは別の戸籍を作りました。私は父姓を名乗ったまま、父とも母とも別の新しい戸籍を作りました。日本にいる母を呼び寄せ、母の市民権を申請したいのですが、可能でしょうか?


A:まず、あなたがアメリカ市民権を取得し、その後、お母様を呼び寄せるのが得策です。
 
最初の手続きである市民権申請の際には、まずその条件として、グリーンカード(永住権)を取得してから5年(アメリカ市民と結婚した場合は3年)経過していなければなりません。期間満了の3カ月前から申請を開始できます。ですから、グリーンカードを取得してから4年9カ月(アメリカ市民と結婚した場合は2年9カ月)経過していれば申請可能です。
 
また、この規定期間(5年ないし3年)のうち、合計してその半分(5年の場合は30 カ月)以上はアメリカに滞在していなければなりません。この規定期間はアメリカに継続的に居住する必要があり、もしアメリカを長期間不在にすると、市民権の取得ができない場合があります。

詳細は次のようになります。

6カ月未満の不在
アメリカに継続的に居住しているとみなされます。

6カ月以上1年未満の不在
アメリカにおける継続的な居住を放棄したことみなされ、市民権の取得に影響を及ぼす可能性があります。この場合は、申請者がアメリカにおける継続的な居住を放棄していないという客観的な証拠を提出することにより、申請が認められる余地がありますが、この立証責任は申請者の方にあります。特に最近では、審査が非常に厳しくなり、このようなケースの場合、申請書に説明や証拠書類が添付されていないと、申請書自体が審査に入る前に送り返される傾向にあります。

1年以上不在の場合
市民権を申請する条件として、継続的なアメリカでの居住条件を満たさないとみなされます。ただし、アメリカの軍隊に属していたり、アメリカの政府機関、あるいは、宗教目的による場合などには例外とされています。
 
これらの条件は、市民権申請が始まった後も、取得時まで満たし続けなければなりません。ただし、これらの規定は厳格な判断基準ではなく、一般的なガイドラインとして使用されるものであり、各々の判断は個別になされています。

市民権と永住権申請方法と取得までの期間
 
アメリカ市民権の申請には、「N-400」という書式に記入し、US パスポートサイズの写真2枚、グリーンカード(表裏)のコピーに、申請料680 ドル(指紋登録料85 ドルを含む)を添えて申請します。
 
申請書を提出した後は、指紋登録の通知が来ます。申請書提出後、約4、5カ月でインタビューになります。ここでは、アメリカを出国していた期間の吟味やそれ以外の内容の審査があります。また、アメリカの歴史や政治などに関する基本的なテストを受けることになります。出題される問題のほとんどは、決められた100 問のうちから出題されます。最近、この問題以外から出題される例も稀にみられますが、この場合でも、全体の60% 以上を正解すれば合格となるので、既定の問題と答えをすべてしっかり覚えておき、少なくともその中から出題されたものに関しては、必ず正解できるようにすることです。
 
インタビューの後、約1、2カ月で宣誓式になり、この日に正式にアメリカ市民となります。
 
あなたの場合、その後、お母様のグリーンカードを取得する際には、日本、またはアメリカにて手続きを行う方法があります。
 
日本で手続きを行う場合には、移民局に「I-130」という書類を提出し、その認可を待って、日本のアメリカ大使館で申請を行うことになります。このI-130 の審査には、現在約7カ月を要しており、この後、日本のアメリカ大使館にてインタビューが受けられるまで、さらに約6カ月を要することになります。
 
アメリカでグリーンカードを申請する場合だと、グリーンカードを取得するまでのすべての手続きは、約4〜5カ月程で完了し、さらに、申請後約2〜3カ月程度で就労許可、および再入国許可を取得できます。これによって、移民局でのインタビューを受けるまでの間、就労、および海外への出入国が可能になります。
 
また、最近では、本件のようなアメリカ市民の子供が親を呼び寄せる場合には、大使館、および移民局でのインタビューが免除されるケースが多々見られるようになりました。



(2012年10月1日号掲載)


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