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アメリカでの育児・子育て

ライトハウスに連載中の人気教育コラム、ハワイ在住の専門家がバイリンガル教育のノウハウを提案する「船津徹のアメリカで実践 バイリンガル子育ての秘訣」のほか、英語学習や学校教育、受験などについての疑問に答える「教育カウンセリング」をご紹介。アメリカでの育児・子育て・教育・子供の学校選び・進学に役立つ情報を提供しています。

船津 徹
船津 徹

バイリンガル教育カウンセラー。福岡県生まれ。

帰国受入校の選び方は?

愛知県(名古屋)に帰国します。帰国受入校の状況は?

松本輝彦(INFOE代表)

受入校が限られています。学校選びを慎重に!

世界的な自動車販売数激減の影響による北米での生産削減で、日系自動車関連企業の駐在員家庭の北米から日本、特に愛知・名古屋地区への児童生徒の帰国が増えることが予想されます。先日、愛知県の帰国生受入校3校を訪問し、実情を聞いてきましたので、まとめてみます。

南山国際中学・高校

「2、3年前から漸増傾向が続いているが、この1年の急増は見られない」との帰国生受入担当者の言葉でした。
 
30年ほど前に「帰国子女の受け入れを主たる目的」として創立されたこの学校は、開校時から入学希望者は誰でもいつでも受け入れる「随時・全員受け入れ」をポリシーにしてきました。

「現在も全員受け入れていますか?」との質問には、「入学・編入時期や学年によっては、入学ができない生徒も出てきています」との回答でした。

また、「通学バスの定員が一杯のルートがあり、そのルートを希望する生徒が引き受けられない」というお話には、個人的に驚きました。

しかし、学校が名古屋の中心地から1時間以上かかり、公共交通の不便な地区にあるという特別な事情だと、私自身学校訪問をしてみて納得できました。

名古屋国際中学校・高等学校

名古屋市内の交通の極めて便利な地域にあるこの学校は、名古屋商科大学の付属校です。ほかの大学への進学もできる幅広い学力を身に付けさせる教育を目指しています。また、その学校名が示すように国際教育に力を入れており、外国の学校との交流や帰国子女の受け入れなどに積極的に取り組んでいます。

特徴のひとつは、アメリカの現地校での教育の長所を積極的にカリキュラムに取り入れていることです。

そのため、アメリカ人の学校長・英語ネイティブ・日本人の教員が協力して、特徴ある教育を目指しているのが印象的でした。

名古屋インターナショナル・スクール

名古屋地区で唯一のインターナショナル・スクールとして1960年代に設立されましたが、10年ほど前に、自動車関連企業の集中する名古屋市北部の地域に校舎を移しました。現在は、この地域の企業で働く外国人の子弟を中心に、Kinderから12年生までの300人以上の児童生徒が学んでいます。

主要な授業言語は英語ですので、ネイティブに近い英語力を持った子供の入学を前提としていますが、英語力が不十分な人のためのESLクラスも提供しています。

卒業生はアメリカの高校の卒業資格に加えて、国際バカロレア(IB)の卒業資格(DP)を取得することが可能です。

愛知・名古屋地区の現状

このコラムでも紹介し、この7月に開かれた「帰国生のための学校説明会・相談会」(主催・海外子女教育振興財団)の名古屋会場のブース参加校50校のうち、愛知・名古屋地区の学校は中学4校、高校9校(公立6校・私立3校)、大学1校の計14校に過ぎず、他の参加校は関東・関西の学校が中心です。

この数字からもわかるように、愛知・名古屋地区の帰国受入状況の関東・関西に比べての特徴である、仝立志向、⊂ない受入校、がはっきりしています。

さらに、ここでは具体的なデータを示してありませんが、「帰国生の南山国際への集中」も大きな特徴です。

南山国際は「全員受け入れ」るために、最も多くの帰国生が集まり、公立中学のように通学可能な地域の帰国生を受け入れています。その役割・特徴のために、学力レベルに差のある多くの生徒の指導を強いられています。

この南山国際1校への帰国生の集中が、帰国子女受入校同士の競争をなくしています。そのため、子供・保護者にとっての帰国後の教育の多様なチョイスが極めて少なくなっていると考えられます。この現状は、子供・保護者のためだけではなく、南山国際のためにも、さらに愛知・名古屋地区の教育の多様性のためにも望ましくありません。

そんな思いから、3つの学校を紹介しました。

各校の情報は、海外子女教育振興財団のホームページ(www.joes.or.jp)でどうぞ。


(2009年8月1日号掲載)