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アメリカでの育児・子育て

ライトハウスに連載中の人気教育コラム、ハワイ在住の専門家がバイリンガル教育のノウハウを提案する「船津徹のアメリカで実践 バイリンガル子育ての秘訣」のほか、英語学習や学校教育、受験などについての疑問に答える「教育カウンセリング」をご紹介。アメリカでの育児・子育て・教育・子供の学校選び・進学に役立つ情報を提供しています。

船津 徹
船津 徹

バイリンガル教育カウンセラー。福岡県生まれ。

子供の現地校への対応を教えてください

子供が現地校への適応に苦しんでいます。親ができることは?

松本輝彦(INFOE代表)

「子供と共に学ぶ」を基本に、生活と勉強でサポートを!

子供が現地の生活や学校で抱える問題は、その子供の年齢・滞在年数・性格など非常に多くの要素が複雑にからみ、内容や深刻さも多様です。そのため、ひとりひとりのケースを個別に考えなければなりません。

子供のサポートのために保護者の皆さんができる基本的な考え方を紹介します。

勉強のサポートを

お子さんの適応のために、皆さんが最初にすることは、良い成績を取るための「勉強のサポート」です。「家庭教師や塾」ではなく、まず、ご自分で教えてください。いや、子供と一緒に勉強してください。

現地校の宿題を一緒にやってみましょう。「私には無理」と尻込みするお母さんがいますが、お子さんは「何をやればいいのか」すらわからないのです。十分手伝えます。

まずは、算数・数学から始めましょう。計算問題だけでOKです。計算の仕方を日本語で教えてあげてください。日本語で勉強したことのない計算なら、1学年上の日本語の教科書や参考書を使うのもいい方法でしょう。

お子さんが「計算はできる」と自信を持つまで、頑張ってください。1つでも自信の持てるものがあれば、現地校への適応がスムーズに進みます。

「計算問題ができるから、現地校に行った」とは、海外での子育ての先輩たちの言葉です。

子供と接する

海外では、学校への送迎や帰宅後の時間など、お子さんと接する時間が日本にいた時に比べて倍増しているはずです。この時間を有効に使ってください。日本の時とは違った、子供との関係を築くチャンスです。

学校から帰宅した子供に「どうだった」としつこく聞くと「別に」の返事で終わります。おやつをエサに、子供と一緒にソファに腰をかけるようにすれば、徐々に、学校の様子も見えてきます。

そんな関係が築けたら、皆さんが知った現地でサバイブするための知識を、お子さんに話し、共有してください。何も知らない子供に、何も教えないで、「なぜできないの!」と責めることがないように。

「海外にいた時は、家族全員一緒に頑張った」との言葉は、帰国した子供たちからよく聞きます。海外で子供たちが頼りにできるのは、皆さんしかいないのです。

皆さんが模範

「子供にとって、親が見本」は、世界中どこでも子育ての基本です。特に、言葉も社会・学校の仕組みもまったくわからない海外で生活を始めたお子さんは、一番身近な皆さんの行動を真似るしかないのです。その保護者の皆さん、特にお母さんの現地へ適応しようとする姿勢・言動が、子供の海外生活への適応の成功の鍵です。

お子さんのためにも、ご自身が積極的に現地社会に参加していかれることを強くおすすめします。英語を使わなくてもできる、学校やお子さんのクラスでのボランティア活動から始められてはいかがですか?

「日本語のビデオを毎日見ているお母さんに、『何で英語ができないの』って言われたくないよね」と、中学生の女の子が話してくれました。皆さん自身が、現地に適応する努力をしないでおいて、お子さんに適応を強要しないでくださいね。

まとめ:子供と共に学ぶ

保護者の皆さんも、大人だからといって、適応に対するストレスがないわけではありません。皆さん自身が現地生活に適応するためにも、「子供と共に学ぶ」ことをおすすめします。

皆さん自身が現地校について学ぶため、1日、お子さんと一緒に学校へ行ってみてください。登校、朝の挨拶、授業の始まりから終わりまで、休憩時間、ランチ、そして下校と子供の1日を一緒に過ごしてください。

ご自身だけのためではなく、お子さんにアドバイスできることがたくさん学べます。それがお子さんにとって最もすばらしいサポートになること請け合いです。

「子供と共に学ぶ」気持ちで子供をサポートし、自分自身も行動することが、お子さんの現地社会・学校への適応のために、保護者ができることです。



(2009年9月1日号掲載)