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アメリカでの育児・子育て

ライトハウスに連載中の人気教育コラム、ハワイ在住の専門家がバイリンガル教育のノウハウを提案する「船津徹のアメリカで実践 バイリンガル子育ての秘訣」のほか、英語学習や学校教育、受験などについての疑問に答える「教育カウンセリング」をご紹介。アメリカでの育児・子育て・教育・子供の学校選び・進学に役立つ情報を提供しています。

船津 徹
船津 徹

バイリンガル教育カウンセラー。福岡県生まれ。

大学進学で課外活動は有利か?

アメリカの大学出願で、クラブ活動やボランティアは有利。

松本輝彦(INFOE代表)

州立は成績をより重視する動き。活動の質と量が問われる!

州立大学:成績優先

州立大学(UC・CSU)の入学者判定は、学校での勉強と統一試験成績を中心として、入学の合否を判定します。

州立大学への入学審査は、審査官(admission offi cer)が、高校での学業成績、統一試験結果、受験生の人柄、入学後の大学への貢献度、学業以外の業績などを総合的に判断して行われます。カリフォルニア大学(UC)では、成績や記録以外は、出願者が提出したエッセイ(personal statement)の内容で考慮します。この入学審査方法は、学業だけではなく、さまざまな特性を持った多様な学生を募集しようとするAO方式と呼ばれています。

しかし、現在の出願方法では、学業成績(GPA)と統一試験(SATまたはACT)の得点を組み合わせた出願基準を超えた高校生しか出願できません。スポーツ、ボランティア、課外活動などで高い実績があっても、まずはこの出願基準を満たすことが必要です。また、出願者の多いUCでは、実際にエッセイを読んで審査されるのは出願者の2〜3%に過ぎないと言われています。

さらに、2012年秋の入学(現在の10年生以降)から、UCはこれまで以上に成績を重視する制度を導入します。11年生修了時の成績(GPA)が州全体または在籍高校で上位9%(全体で約10%)に入っていれば、UCのいずれかのキャンパスへの入学が保障されます。UCは州の高校卒業生の上位12・5%を受け入れるように入学定員を決めています。この定員と上位10%の差(2・5%)が、GPA以外の統一試験で抜群の成績を挙げた生徒や、課外活動の目覚しい生徒、留学生、他州からの入学者に割り当てられることになります。
 
このように、州立大学への出願では、まず学業成績のハードルを越えないと、スポーツやボランティアなどの課外活動を評価してもらえないのが、現状です。

私立大学:積極的評価

私立大学は、学業成績以外の業績を、州立大学に比べてより積極的に評価します。

成績書などには表れない出願者の特性を、全員のエッセイを読んだり、複数の推薦書の提出を求めたり、時にはインタビューをして、総合的に判断した上、入学者を決定します。

州立大学に比べて募集する学生数が少なく、独自の教育を目指すのがアメリカの私立大学の特徴です。その教育目標に合う学生をじっくり評価するので、結果的に、スポーツ、ボランティア、課外活動などで高い実績を持った受験生を多く入学させています。ただし、評価の程度は、大学により大きく異なります。

どんな活動を評価?

大学進学で評価を受ける課外活動のレベルは、非常に高いことを理解してください。

ある女子高校生は、約3年間、ほぼ毎週末、地域の病院でボランティア活動をし、私立の有名大学に進学しました。彼女の学業成績は、合格ラインぎりぎりでしたが、そのボランティア活動が高く評価されたようです。

また、州立大学に奨学金をもらって進学した日本人の水泳選手は、得意種目でカリフォルニア州トップ10の成績を収めました。そして、大学在学中に、オリンピックの日本代表の選考会に出場しました。彼は、大学進学後、朝5時からの練習を毎日続け、一般学生と同じ授業を受けました。成績が下がると奨学金も打ち切られます。

このように、大学に積極的に評価される課外活動は、質・量共に相当なレベルが要求されます。高校の卒業要件とされている程度のボランティア活動だけでは、不十分です。

帰国生大学入試では?

最近、日本国内の受験生向けの推薦やAO入試では、ボランティアやスポーツの活動が積極的に評価される傾向にあります。

しかし、帰国生大学入試は「帰国生」としての資質を求めるので、課外活動をあまり積極的に評価しているようには思えません。

ただ、面接試験でボランティア活動について大いに語り、「合格をものにした」という受験生もいました。

学業が第一、そして課外活動

高校生としての本来の「仕事」は勉学です。その学業と並行してバランスの取れた課外活動を成し遂げた高校生を、アメリカの大学は高く評価してくれます。