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アメリカでの育児・子育て

ライトハウスに連載中の人気教育コラム、ハワイ在住の専門家がバイリンガル教育のノウハウを提案する「船津徹のアメリカで実践 バイリンガル子育ての秘訣」のほか、英語学習や学校教育、受験などについての疑問に答える「教育カウンセリング」をご紹介。アメリカでの育児・子育て・教育・子供の学校選び・進学に役立つ情報を提供しています。

船津 徹
船津 徹

バイリンガル教育カウンセラー。福岡県生まれ。

高校2年生の息子を、アメリカに連れてくるか迷っている

こちらに単身赴任で着任したばかりです。妻と子供たちはまだ日本ですが、高校2年生の息子をこちらに連れてくるかどうか迷っています。メリット、デメリットを教えてください。また、連れてくるとしたらどのようなコースがありますか?

松本輝彦(INFOE代表)

11年生もしくは12年生での編入か
日本の大学を受験するか…選択肢は様々

 高校生を海外赴任に同行するかどうかは、様々な条件が絡むので、本人とご両親にとって大きな悩みです。高校2年生で初めて渡米するケースについて、お答えします。

 まず、現地校での学年は、生年月日で現地の学校の学年が異なりますので注意してください。カリフォルニア州の場合、一般的に12月1日までに生まれている場合、9月からは日本の学年より現地校の学年が1つ上、すなわち、高校の最終学年である12年生になります。12月2日以降であれば11年生です。
 これはあくまでも一般的な話で、編入する高校の判断や、本人の希望で変わる場合もあります。どちらの学年で編入するかにより、後に述べるような差が出てきますので、十分にご注意ください。

かけがえのない海外体験と
英語力向上がメリット


 12年生で編入の場合、高校卒業まで10カ月しかありません。その後すぐに日本へ帰国であれば、この短い期間にネイティブ並みの英語力を身につけることは不可能ですが、レベルの高い英語力を身につけることは努力次第で可能です。11年生で現地校へ入った場合は2年近くあるので、帰国後、読み書きも含めた高いレベルの英語力を身につけることが可能です。
 また、海外での生活で得た経験・知識は、子どもたちの考え方に大きな影響を与え、その幅を広げます。さらに、カリフォルニア州では18歳までが義務教育ですので、公立高校の場合、個人的な費用以外、一切お金はかかりません。

とにかく卒業が大変
それが最大のデメリット


 高校卒業は完全な単位制で、必修・選択科目単位の取得が必要です。ほとんどのクラスはネイティブの人と同じように扱われます。そのため、単位の取得が困難な場合があります。高校卒業で試験をする州もあり、1〜2年の在籍では、その試験に合格するのが大変困難なところもあります。
 高校卒業で日本へ帰国する場合、短期間での英語習得は大変な努力を要します。逆に「日本語力が落ちるのでは」という質問を聞きますが、高校生段階での渡航では、心配は要りません。

公立や、私立
バイリンガル高校もあり


 カリフォルニア州では18歳までが義務教育ですので、公立の高校には必ず入れます。居住地や保護者の勤務地を校区とする高校へ出向き、簡単な英語力の試験を受け、入学します。授業料は無料です。

 近年は公立高校の抱える問題を嫌って、私立の高校へ子どもを送り込む保護者も増えています。しかし、大半は進学準備の学校(プレップ・スクール)ですので、現地の大学への入学希望者が多い優秀な学校へ渡米直後の日本人が入学することは難しいでしょう。
 また、郊外の寮のある私立高校では、外国人のための英語クラスなどを設けて、積極的に外国人を受け入れているところもあります。さらに、南カリフォルニアには日英バイリンガル高校・ロサンゼルス国際学園などがあり、日米の大学への進学実績があります。

帰国子女入試で日本の大学へ
またはアメリカの大学へ


 現地校で2年学べば、ほとんどの大学の帰国子女大学入試が受験できます。日本の高校の卒業生に比べて、受験・進学できる大学のチョイスが多く、有利なのが現状です。
 12年生で編入した場合は、帰国子女入試が受験できる大学は現実的に数校しかありません。しかし、そのわずかなチャンスを生かして、日本の大学へ進学する高校生もいます。

 アメリカでは、高校を卒業すれば誰でも2年制のコミュニティーカレッジに編入できます。大学の教養レベルクラスやより実務的なクラスまで幅広い内容が学べ、専門スキルを取得し日本で就職する人もいます。費用も大変安く、学校も非常に多くあります。
 4年制の大学に進学することも可能です。カリフォルニア大学やカリフォルニア州立大学がその例です。これらの大学への出願は12年生の秋です。コミュニティーカレッジで必要な単位を取得して、4年制の大学の3年生への編入もできます。