学ぶ・育てる
Study

アメリカでの育児・子育て

ライトハウスに連載中の人気教育コラム、ハワイ在住の専門家がバイリンガル教育のノウハウを提案する「船津徹のアメリカで実践 バイリンガル子育ての秘訣」のほか、英語学習や学校教育、受験などについての疑問に答える「教育カウンセリング」をご紹介。アメリカでの育児・子育て・教育・子供の学校選び・進学に役立つ情報を提供しています。

船津 徹
船津 徹

バイリンガル教育カウンセラー。福岡県生まれ。

公立高校卒業に必要なハイスクール・イグジット・イグザムって?

2004年夏に渡米し、9月から公立高校の10年生に娘を入れた母親です。最近、「公立の高校は、ハイスクール・イグジット・イグザムがあるから卒業が大変よ」と言われて心配しています。この試験について教えてください。万一、卒業できない場合、どうしたらいいのでしょうか?

松本輝彦(INFOE代表)

卒業までに合格することが条件
英語と数学の試験

カリフォルニア州の
高校卒業試験


 この試験の正式名称は「California High School Exit Examination (CAHSEE)」です。日本語で「高校卒業試験」と呼びましょう。この試験はカリフォルニア州の法律で決められており、カリフォルニア州の公立高校の生徒全員に適用されているものです。公立高校の卒業資格を2006年6月以降に取得するためには、この試験に合格しなければならず、試験は英語(English-language Arts)と数学(Mathematics)に分かれ、それぞれ合格する必要があります。

 英語のセクションは10年生までの学習内容をカバーし、読解(Reading and Decoding)と作文(Writing)に分かれ、選択問題と作文問題が課されます。数学セクションは、Algebra Iまでの数学のほとんどの分野から、選択形式の問題が出題されます。

 10年生の春に1回目の試験が実施され、その後、12年生終了まで5回、受験の機会が与えられます。英語力の不十分な生徒(English learner)も他の生徒と同様に受験することになっています。

新たに加わった
卒業の条件


 これまで、カリフォルニア州の公立高校を卒業するためには、”要単位(必修・選択)の取得、∈把禊霆牋幣紊寮績(GPA)の取得、7茲瓩蕕譴浸間以上のボランティア活動(一部の学校区)など、それぞれの学校区で決められた条件を満足すれば、卒業証書(Diploma)が発行されました。ところが、2006年6月以降に卒業する生徒(現在の11年生以下)には、高校卒業試験合格が新たな卒業条件として加えられることになります。

 すでに2003年9月から、対象となる生徒(当時10年生)はこの試験を受験しています。150万人の高校生が受験した結果によれば、全体の約75%の生徒、English learnerの約40%が合格、アジア系生徒の85%が合格しています。

 この結果は1回目だけのもので、不合格者は再受験の機会を与えられており、合格率はより高くなっていると思われますが、結果はまだ発表されていません。なお、この統計で言うEnglish learnerとは、法律上は「入学後1年以内」の生徒という定義になっています。

日本人生徒にとって
やはり難しい?


 この試験の日本人生徒への影響に対する見方は、人によって大きく異なります。先述の試験結果を参考に、「2年位の高校在籍でも卒業できる」と判断する現地校の先生もいますし、「7年生以降ぐらいに渡米した場合、12年生終了までに合格するのは難しい」と話す、日本人生徒の実態に詳しい学校区の関係者もいます。ただ、どちらも「生徒の個人差」を強調します。生徒の能力と日々の努力で、合格に必要な年数が大きく異なるとのことです。

対策として
私立への転校を考慮


 公立の高校で卒業試験合格が困難ならば、卒業資格を取得する方法は「私立高校への転校」です。しかし、その私立学校も日本ほど学校数が多くありません。最近のアメリカ全体での私立校ブームでレベルの高い高校に入学すること自体が難しくなってきており、受験準備に最低2年くらいかかるのが現実です。英語力が不十分な日本人の高校生がいきなり編入することは、より困難です。

 そんな日本人高校生にとって、現実的なチョイスは、日本語と英語のバイリンガル教育を行う私立高校です。東海岸には慶應義塾ニューヨーク学院(www.keio.edu)、西海岸にはロサンゼルス・インターナショナル・スクール(LAインター、www.LA-INTER.org)があります。

 高校卒業試験の合格の可能性の判断は、お子さんの学習状況を把握することが前提となります。お子さんの学力、進路が心配な方は、どうぞご連絡、ご相談ください。

■出典: California Department of Education    (http://www.cde.ca.gov/ta/tg/hs/)