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アメリカでの育児・子育て

ライトハウスに連載中の人気教育コラム、ハワイ在住の専門家がバイリンガル教育のノウハウを提案する「船津徹のアメリカで実践 バイリンガル子育ての秘訣」のほか、英語学習や学校教育、受験などについての疑問に答える「教育カウンセリング」をご紹介。アメリカでの育児・子育て・教育・子供の学校選び・進学に役立つ情報を提供しています。

船津 徹
船津 徹

バイリンガル教育カウンセラー。福岡県生まれ。

小6で帰国。国語が小3レベル 帰国後、学校での授業が心配

3学年以上の遅れは注意が必要 学校選びを慎重に

松本輝彦(INFOE代表)

長期滞在や国際結婚のご家庭で、日本語力・日本語での学力が、現在の学年に比べて3学年以上低いお子さんが増えています。

日本語力・国語力は?

 崙本語力」:言語としての日本語力で、日本語での言葉(語彙)の数・レベルや漢字の読み書きが学齢レベルでできるかどうか。おおまかに小学校中学年程度までに完成する日常会話ができる「生活言語」、中学1年生くらいまでに身に付く読み書きの「学習言語」と分けられます。
◆峭餮賣蓮:日本語の文章を読んで理解し、文章で意思の疎通をする力で、国語(科)の成績で評価。不十分な国語力では「算数の文章題が理解できない」など、他の教科の学習にも影響が。
「日本語による学力」:各教科の学習内容を、日本語で理解したり表現したりする力。言葉の運用能力だけではなく、学習内容に対する知識や理解度など、一般的な「学力」も大きく影響します。

3学年以上の差

現地校の児童生徒が日本に帰国する場合、小・中学校は転居先の公立校に入れます。また、私立中学・高校の帰国子女入試・編入では、英語での学力が高い児童生徒を積極的に受け入れる学校が多くあります。

しかし、日本の学校ではクラス全体で同じ教科書を使った一斉授業が基本。教科書の漢字が読めなくて内容が理解できない、帰国した子供も一緒に授業を受けます。1・2学年の遅れならば授業中の先生の少しの指導で一斉授業も可能です。しかし、3年以上の遅れがある子供にとっては、授業の説明自体が理解できず、一斉授業についていくのは大変です。

学校の対応

一斉授業についていけない子供の指導方法をみてみましょう。

ー茲蟒个啓業:通常の国語の授業についていけない生徒を、別の授業に取り出して指導。例えば、啓明学園では、国語の授業時間は国際教育センターでの特別授業に出席。この授業では、専任の先生が個別指導を行います。啓明学園のようにしっかりした取り出し・個別指導のシステムを持っている学校は、帰国受入校であってもほとんどありません。
⊇熟度別授業:生徒の国語力に応じて、習熟度・レベル別に指導。日本語基礎から通常の国語までのいくつかの習熟度別授業に分かれる学校(例:千里国際)と、日本語・国語力別の学級に分かれる学校(明徳義塾)があり。
J篏授業:通常の国語の授業で指導するが、授業についていけない生徒を対象とした、放課後などの定期的な補習授業で指導(茗渓学園)。
な篏教員:国語の授業に担当教員に加え補助教員が入り、2名の先生で指導します。担当教員が行う通常の授業中に、遅れている生徒を補助教員が個別指導をします。
ダ萓犬旅グ:国語や担任の先生の個人的好意で、休み時間や放課後に指導。
塾・家庭教師:子供の弱点や進度の遅れた学習内容を、家庭で個人的に補習。

実情としては、´↓の指導を行う学校はわずかで、い了愼海鬚垢覲惺察兵腓妨立校)も限られています。

英語での学習

日本の学校でサバイブするためには、言葉や漢字の「言語」の能力に加えて、読解力や学習内容の知識などの「学力」が欠かせません。

「言語」の学習は、帰国直後に短期的に集中して行うことが可能で、海外滞在中の補習校や家庭での継続した日々の学習が、その期間の短縮に役立ちます。しかし、「学力」の習得は幅広い内容を含んでいますので、非常に時間がかかります。滞米年数が長くなった子供は「学習言語」が英語の場合がほとんどですので、現地校での学習を通して、英語での「学力」を伸ばしておくことが基本です。そして、帰国後、その英語での学力をベースに、日本語での学力を伸ばします。

「現地校でしっかり勉強した子供は、日本の学校に入っても短期間でキャッチアップできる」という、受入校の入試担当者の言葉が、英語での学力の大切さを示していると思います。

(2012年10月1日号掲載)