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アメリカでの育児・子育て

ライトハウスに連載中の人気教育コラム、ハワイ在住の専門家がバイリンガル教育のノウハウを提案する「船津徹のアメリカで実践 バイリンガル子育ての秘訣」のほか、英語学習や学校教育、受験などについての疑問に答える「教育カウンセリング」をご紹介。アメリカでの育児・子育て・教育・子供の学校選び・進学に役立つ情報を提供しています。

船津 徹
船津 徹

バイリンガル教育カウンセラー。福岡県生まれ。

滞米5年、帰国で日本の高校に編入 高校卒業後の大学進学が心配

広がる入試の多様化がチャンス 帰国生入試も受験可能

松本輝彦(INFOE代表)

日本の大学入試の現状と、帰国編入後の学習についての理解が必要です。

大学入試の多様化

かつては、英・数・国などの筆記試験を受験生が一斉に受験して、その得点で合格・不合格が決まる「一般入試」を実施する大学がほとんどでした。しかし、最近は、「一般入試」以外の入学試験(特別選抜)を実施する大学が、国公私立を問わず、急激に増えてきています。特に私立大学ではほとんどすべての大学が実施しており、特別選抜で合格して入学する受験生が大学新入生の半数以上を占めるほど。国公立大学は、まだまだ一般入試での入学者が大半ですが、特別選抜の実施大学も徐々に増えてきています。

特別選抜の中で、受験者の多い「推薦入試」には
指定校推薦:大学が指定した高校(指定校)の受験生で、その大学・学部への進学希望者の中から、高校が選んだ生徒を大学に推薦し、受験させる入試

公募推薦:大学が決めた出願基準を超えた受験者が誰でも受験できる入試。通常、高校の推薦が必要

自己推薦:大学が決めた出願基準を超えた受験者が、個人で出願できる入試などがあります。

また、「AO(アドミッション・オフィス)入試」は、提出された書類や小論文(エッセイ)などを審査して合格者を決める入試です。アメリカの大学入学審査と同じ方法ですが、書類だけでの審査の経験不足から、面接や筆記試験を課す大学も多くあります。

これらの入試の実態を詳細に見ると、「自己推薦入試」が最も変化に富んでいます。帰国生の例では、「英語ができる」「プレゼンテーションがうまい」「研究論文が書ける」など、現地校で培ってきたスキルをフルに活かして、有名大学の合格を勝ち取る受験生もいます。

帰国子女入試

日本の高校に編入した場合も、帰国子女大学入試を受験できます。ただし、編入の時期によって受験できる大学・学部の数は大きく変わり、編入時期が遅いほど、その数は増えていきます。

帰国子女大学入試は、書類審査のほかに小論文・面接を課す大学が一般的です。これらに加えて、統一試験(SAT、TOEFLなど)の成績を要求する大学も。これらの大学を受験するには、編入した高校の卒業単位取得のための日本語による勉強と、英語での統一試験受験の勉強を並行して行う必要があります。

編入後の高校の進学担当で、帰国子女大学入試の実際に詳しい教員はあまりいません。帰国が決まった時点で、帰国後の受験について専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。

帰国後の大学受験

以上のように、高校編入後の大学受験には大変多くのチョイスがあります。その中から、どんな受験をするのかで、受験準備のための勉強が大きく変わります。

例えば、理科系学部への進学志望の場合は、一般入試受験のために、アメリカの学校で勉強してきた内容とは異なる、高校での教科をしっかり勉強する必要があります。

指定校や公募推薦を考えるなら、編入後の高校の成績をしっかり上げなければ、高校の推薦枠を勝ち取れません。普通、推薦には高い評点平均(通知簿の成績の平均)を求められるので、古文・漢文、音楽、美術などでも好成績をあげる必要があります。

英語力で勝負して、自己推薦を目指すなら、英検1級やTOEFLの高得点を目指す受験勉強を頑張りましょう。

帰国子女入試を受験するなら、日本語での小論文の特訓や面接練習が重要。さらに、SATの必要な大学を受験するならば、日本語での高校の勉強と並行して、SATの勉強が必要となります。

お子さんが受験される日本の大学入試は、このように急激に変化してきています。保護者の皆さんが経験した大学入試とは「隔世の感」があるのでは?しかし、アメリカの現地校で苦労して学んできたお子さんが、帰国後、その努力を活かして志望大学に入学するためには、保護者も情報集めが欠かせません。頑張ってください。

(2012年11月1日号掲載)