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アメリカでの育児・子育て

ライトハウスに連載中の人気教育コラム、ハワイ在住の専門家がバイリンガル教育のノウハウを提案する「船津徹のアメリカで実践 バイリンガル子育ての秘訣」のほか、英語学習や学校教育、受験などについての疑問に答える「教育カウンセリング」をご紹介。アメリカでの育児・子育て・教育・子供の学校選び・進学に役立つ情報を提供しています。

船津 徹
船津 徹

バイリンガル教育カウンセラー。福岡県生まれ。

アメリカの学校の成績はどのようにつけるのですか?

中学生の子供を持つ母親で、日本から来たばかりです。成績のつけ方について、アメリカの公立校ではどのようになっているのか教えてください。

松本輝彦(INFOE代表)

成績のつけ方は学校区により違う
個々の努力を反映した評価が一般的

アメリカは「絶対評価」
日本は「相対評価」


 成績のつけ方は学校区で大きく異なります。ここでは、一般的な「評価」の例とその考え方についてみています。

 アメリカの学校では、子供の評価は「絶対評価」によることがほとんどです。この方法にはゝ甸囘な評価基準(例えば統一試験)に対して、どのレベルの成績が取れるか、一人一人の子供の学習上の到達目標に対してどれだけ達成できたか、の2つの評価方法が含まれます。中学レベルになると、レギュラークラスでは,諒法を、レギュラークラスの基準で評価するのが困難なESLクラスでは、△諒法が取られる学校区が見られます。どちらにしても、子供一人一人の努力を反映した評価方法になっています。

 日本の学校で採用されている「相対評価」は、特定の子供の学力がクラス全体の中でどの位置にあるかを示します。40名のクラスだと、最も良い「5」の子供と、最も悪い「1」の子供が、各クラスに必ず2名ずついます。クラスの大部分は「3」です。この方法だと、クラス間や学校間の格差が問題になるため、日本の学校でも絶対評価を採用する都道府県が、徐々に増えてきています。

評価される3つの項目
「学力」「努力」「態度」


 アメリカでは子供の学校での生活に対して、学力・努力・態度の3項目が評価されます。

■学力(ACADEMIC)

 勉強の成果に対する評価です。宿題・試験・小テスト・プロジェクト・レポートなどのアカデミックな課題に対する成績をまとめたものです。

 先生により異なりますが、ほとんどの先生は、前記の課題のそれぞれ全体の成績に対する割合(%)を決めておいて、そのうちの何%を生徒が獲得したかで、成績を決めていきます。例えば、宿題(30%)のうちの80%を取ったとすると、30×80=24%で、宿題の成績として24%を獲得したことになります。同じ計算を他の課題すべてに行って、学期の終わりに82%を獲得したとすると、別表「学力」の評価に示した成績範囲(80-89%)の成績が取れたことになり、「B」がもらえます。

■努力(EFFORT)

 学力の評価は、学習の結果に対する評価ですが、「努力」はその成果を上げるために、どのような努力をして勉強したかに対する評価です。例えば、学力の評価が「C」であっても、その成績を上げるために個人的に非常な努力をすると、先生は努力に対する評価で「A」をつけます。もちろん、その逆もあります。

■態度(CITIZENSHIP)

 学習態度に対する評価です。学校は勉強だけ教えるところではなく、「良きアメリカ市民を育てる」ことが公教育の大きな目標とされています。他の子供への思いやりがあり、ルールを守り、他人を尊重した態度が取れ、協調性がある、などの態度を示したり、態度の顕著な向上が見られた場合は、「秀でている」として「O」の評価が下されます。その評価により、子供の授業中の態度を垣間見ることができます。



 「日本の学校では成績は学期の終わりに先生が決めるもの」でしたが、アメリカの学校では、「自分の成績は自分の努力の結果」と考えるようになります。この成績のつけ方の違いが、子供の努力の差となっているようです。