学ぶ・育てる
Study

アメリカでの育児・子育て

ライトハウスに連載中の人気教育コラム、ハワイ在住の専門家がバイリンガル教育のノウハウを提案する「船津徹のアメリカで実践 バイリンガル子育ての秘訣」のほか、英語学習や学校教育、受験などについての疑問に答える「教育カウンセリング」をご紹介。アメリカでの育児・子育て・教育・子供の学校選び・進学に役立つ情報を提供しています。

船津 徹
船津 徹

バイリンガル教育カウンセラー。福岡県生まれ。

海外体験が、帰国後の子供の生活にどんな影響を与えるのでしょうか?

海外生活は苦労も多いですが帰国後は大きな武器となります。

松本輝彦(INFOE代表)

海外子女のOGたち

先日、20年以上前に海外で育ち、その後日本で生活している女性たちに東京で会いました。その場で、海外生活がその後の人生にどんな影響を与えているか、話を聞く機会がありました。新宿のレストランに夕方集まった7人の女性は、1987年にロサンゼルス補習校(あさひ学園)の高等部を卒業した、私の教え子たちです。

海外生活について

「良かった!」。25年ぶりの再会に興奮した教え子たちの女性トーク(失礼!)がひと段落ついたところで、「アメリカでの高校生の生活はどうだった?」との私の質問に、皆が一斉に口にした言葉です。その言葉をきっかけに、当時の写真も登場して、楽しかった、愉快だった思い出話の共演が続きました。

楽しい時間がひと息ついた時、「先生、あの時はありがとう」と、高校生の時に涙声で私に苦しさを打ち明けた教え子が、その出来事を私に思い出させてくれました。今度は、苦労話のリレーです。現地生活や現地校の学習、帰国子女大学入試の受験準備が大変だったなど、さまざまな出来事が「懐かしい思い出」として語られました。

「良かった」の言葉は、大人になり、母親となった彼女たちが自分の人生を振り返り、海外子女としての生活経験を語った本音だと信じます。楽しい思い出だけではなく、悩み、苦しんだ経験も彼女たちを大きく成長させたことは間違いありません。

帰国後の生活

卒業後25年間(四半世紀!)の生活に話が移りました。彼女たちは全員、補習校卒業後、日本の大学に進学していました。40歳を過ぎた彼女たちは、就職、結婚、子育てなどで非常に多様性に富んだ、個性的な人生を送っていました。最近の日本社会の女性パワーの見本のようでした。英語が話せるアドバンテージだけではなく(変わり者扱いされることもあるようですが)、周囲の純ジャパ(海外体験のない日本人)にはない考え方や感性を活かせる仕事を続けている人が多いようでした。その中には、「転職を重ねて、やっと見つけた」というキャリアウーマンもいました。

また、帰国生同士で結婚している同窓生の名前がどんどん出ました。帰国生同士の結婚理由を、「中学・高校で生活した環境は、アイデンティティー形成に大きく影響する。そして、結婚を考えた時に、共通のアイデンティティーを持った帰国生同士が結婚するのは、一番自然」と分析してくれました。

わが子の教育話

「松本先生はまだ教育の仕事をしているんだ」のひと言から、小学生から中学生の子供を抱えているお母さんを中心に子育て談議に移りました。ご主人の海外駐在を機会に小学生の子供をアメリカの現地校で3年間教育する機会を得たお母さんは、「海外生活中の体験で子供が大きく成長した」との体験談を紹介してくれました。

それを聞いて、「いいわねー。できれば、わが子も海外で育てて、自分と同じような海外体験をさせたい!」との声が多く上がり、海外で育てることのメリットが数多く挙げられました。その理由をまとめると、「確かに、中学・高校の思春期を異文化の中で過ごすのは大変だった。しかし、その体験が後になって、特に日本に帰国後に大きな武器となる。帰国生として入学した大学やその後の就職先での苦労もあったが、日本と外国両方を知ることが、大人になって大きなチャンスを与えてくれる。その恩恵を振り返ってみて、自分の子供にもできたら海外で育つチャンスを与えてやりたい」とのことでした。そして、「ねー、松ちゃん、いい方法教えてよ!」との、私への攻撃が続きました。

子育て、がんばって!

今回の「松ちゃん会」に集まってくれた教え子たちも、皆さんと同じように子育ての真っ最中です。その彼女たちの「良かった」という言葉を信じてください。そして、「お子さんの将来を信じて」、アメリカでの子育て・教育をがんばってください!

(2013年4月1日号掲載)